地獄変 芥川龍之介 | (本好きな)かめのあゆみ

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かしこいカシオペイアになってモモを手助けしたい。

軽い短編じゃなくて

どっしりくる短編を読みたくなって

ひさしぶりに読み返してみた。

 

さすが。

 

重厚

濃密。

 

そして圧倒的な語彙力と構成力と描写力。

 

すべてが緻密に計算されて調和しながら

最後に向かって突き進んでいく。

 

それにしても

良秀とその愛娘に対する大殿の仕打ちはあまりにもむごい。

 

ぼくの頭のなかではいつの間にか

良秀が自らの芸術性のために

愛娘を芸術の生贄に捧げた

っていう展開だったんだけど

大殿の残酷な仕打ちだったんだな。

 

娘にあんなことをしたのが大殿かどうかはわからないけど

女性が被害に遭う構図は現代のリアルなそれと同じで

いたたまれない。

 

無論

この作品の芸術性とは関係のない話なのではあるが。

 

 

 

--地獄変--

芥川龍之介