星の子 | (本好きな)かめのあゆみ

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かしこいカシオペイアになってモモを手助けしたい。

おお

これも独特の世界観、人間観。

 

こちらあみ子

で衝撃を受けた今村夏子さん。

 

この

星の子

あみ子

よりはマイルドながら

簡単な感情移入を許してくれない。

 

でもこういう家庭もこういうこどももたしかにいると思わせられる。

 

その生活は

おそらくほとんどのひとにとって奇異なものだと思うのだが

でもそれが不幸だということの証拠にはならない。

 

主人公の

ちーちゃんは

生れたころにはからだが弱かったのだが

たまたまお父さんの職場の同僚に勧められた

金星のめぐみ

という水によって

ちーちゃんのからだが健康になっていく。

 

それは成長に伴う自然なものであって

水とは何の関係もないのかもしれないのだが

我が子を愛するお父さんとお母さんにその水の効果を信じさせるには

充分なものだったに違いないだろう。

 

誰もそれを責めることはできない。

 

そのお父さんとお母さんのもとで育つちーちゃんとお姉ちゃんが

不幸だと決めつけるのもやはりこっちがわの人間の傲慢なんだろう。

 

ラストシーンが実に不思議で

意味なんかも考えたくなるけど

きっとそんなに何も考えなくていいのだろう。

 

今村夏子さんの作品は

是枝裕和監督の作品と問題意識が似ているかもしれない。

 

自分が思うオーソドックスとは違う生き方をしているひとたちを

いないことにしてしまう風潮への疑問。

 

星空。

流れ星。

 

 

 

 

--星の子--

今村夏子