芥川龍之介の羅生門
のパロディ風の冒頭から
破天荒で荒唐無稽にぐいぐい読ませる。
2000年から2003年くらいに書かれているので
もう15年以上も前の作品になるのだが
のちの
告白
ギケイキ
ホサナ
なんかにも通じる世界観。
超人的剣客なんて
ギケイキの義経やん。
序盤の内藤と掛のやりとりが好き。
内藤に完全に封じ込まれる掛。
そして大浦を陥れる策を手伝わせられる。
さるまわ奉行。
大臼。
腹ふり党。
茶山。
それにしても岐阜で茶山にいったい何があったんだろう。
気になる。
様霊河原での乱闘。
狂騒的な鉦や太鼓の音。
社会の中で希望を持てなくなった者たちによる
やけのやんぱちの大騒動。
これってあんがいリアルだったりする。
うーん。
ただたんにいきあたりばったりにむちゃくちゃなわけではなくて
きっちりながれているところにうならせられる。
ストーリーもさることながら
もちろん掛や茶山の思弁が魅力的。
そしてラスト。
いいねえ。
けっきょくつまりそういうことなんだよ。
あんたもパンクならこっちもパンク。
パンクなものこそうつくしい。
--パンク侍、斬られて候--
町田康