魔法にかかった男 ブッツァーティ短篇集Ⅰ | (本好きな)かめのあゆみ

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新聞の書評で

この

魔法にかかった男

が紹介されていて

その書評のなかで触れられていた

病院の7階から1階まで降りていく

という短篇に興味がわいたので読んでみた。

 

ディーノ・ブッツァーティという作家は初めて知った。

 

1906年に北イタリアのベッルーノで生まれ

1972年にミラノで亡くなったという。

 

イタリアの作家の作品は滅多に読む機会がないので

作中に出てくる名前や地名などからもイタリアを感じた。

 

まあこの短篇集に収められている作品も

むかしの作品ということになるが

レトロな感じがあった。

 

アイロニーやユーモアで味付けられた

幻想的な寓話

っていう感じ。

 

読みながら

エドワード・ゴーリー

を思い出したのは

なんとなく世界観が共通しているような気がしたから。

 

奇妙な動物とか。

 

不条理で不幸な運命とか。

 

全部で20話収められているのだが

1話がだいたい10数ページの作品がほとんどで

最後に収められている

屋根裏部屋

だけが50ページくらいだった。

 

ショート・ショートといえばぼくにとっては

星新一になるのだが

似ている部分もあるし似ていない部分もある。

 

それで

目当ての

病院の7階から1階まで降りていく短篇

がいつ出てくるか

タイトルがわからないので期待しながら読み進めたのだが

なかなか出てこない。

 

もしかしたら最後の

屋根裏部屋

がその話なのかなと思っていたが

結局そうではなかった。

 

書評を読み直してみると

この短篇集ではなく

別の短篇集に掲載されていたようだ。

 

タイトルはずばり

七階。

 

まあこの短篇集も嫌いではなかったし

読みやすくもあったので

よしとしておこう。

 

 

 

 

--魔法にかかった男 ブッツァーティ短篇集Ⅰ--

ディーノ・ブッツァーティ

長野徹 訳