ひる(15) | (本好きな)かめのあゆみ

(本好きな)かめのあゆみ

かしこいカシオペイアになってモモを手助けしたい。

  不公平の是正。間違いない。彼らは対立する組織の一員だ。彼らの行動は阻止しなければならない。

 しかし、いまここで彼らに挑むことには意味がない。彼らはたしかに組織で重要な役割を果たしているようだが、それでも支部の構成員に過ぎないだろう。

 彼らの組織は巨大だ。まずはこのまま彼らの話を聞き続け、それを主任に報告することにしよう。

 彼らの組織は、世の中の不公平を是正することを目的に活動している。

 あたりまえのことだがいつの世にもさまざまな不公平がある。男と女との間の不公平、おとなとこどもとの間の不公平、富める者と貧しき者との間の不公平、国と国との間の不公平、時代と時代との間の不公平。自分の努力ではいかんとも是正しがたい不公平にみちている。

 彼らの組織はときに政府に働きかけ、ときに各国の要人へのロビー活動を展開し、ときにNGOやNPOを支援し、ときに街頭PRやメディア操作、あるいはSNSを利用して大衆に影響を与えながら、世の中の不公平を是正する活動に取り組んでいる。

 先日はある国で、親の経済状態でこどもの教育環境に差が出ないよう、つまり世代をまたぐ貧困の連鎖を断ち切るための政策を政府に実現させたところだ。

 その少し前には、先進国の企業が低い賃金で途上国の労働者を働かせて利益をあげる仕組みを是正すべく、途上国の労働者に企業との交渉の術を教育し、国と国との間の賃金格差の是正に道筋をつけた。