脳科学者である中野信子さんの著作を読むのはこれで2冊目。
1冊目は心理学者の澤田匡人さんとの共著
正しい恨みの晴らし方。
ほかにもラジオ番組のゲストとして話しているところや
NHKのSWITCHインタビュー達人達で
パイロットである室屋義秀さんと話しているところを観ているので
ぼくにとってはかなり気になるひとなのである。
この本の内容は
月間『BIG tomorrow』で連載した内容がベースになっているとのことで
どうりで啓発本の匂いが漂っていた。
とはいえそういうのがあまり好きでないぼくでも
やはり共感できる内容だらけだった。
ふだん人間として生きているなかで経験的に感じていることを
脳科学の知見でどんどん裏付けていくって感じ。
もうドーパミンとかオキシトシンとかβ-エンドルフィンなんかは
ぼくにはおなじみで
それのためにひとは生きているんじゃないか
っていう視点を得たことで世界が広がり
他人や自分とのコミュニケーションも楽になったような気がする。
また
ぼくにとっての脳の役割は
扁桃体が情動を生み出し
海馬が短期記憶を行い
前頭前野で知能を働かす
っていう感じ。
細かい分類はよくわかってないけど
扁桃体が欲望を感じているなあ
とか
海馬がフル回転して現状を本能的に把握しようとしているな
とか
前頭前野で長期的な視点に立って最適解をみつけようとしているな
とか
メタ認知をする習慣ができてきつつあるような気がする。
もっともあいまいな知識なので間違った認識かもしれないけど
とにかく自分の腑には落ちているので
いまのところはだいじょうぶ。
この本には
生き物としての人間の脳のメカニズムがわかりやすく書かれているので
日常で感じるモヤモヤにもかたちを与えてくれるような気がして
とてもいいと思う。
もっとも
もちろんこれが人間のすべてではないし
身も蓋もないようなことが書かれているので
納得しかねるひともいるだろうけど。
ともかく
自分自身こどものころから生きにくさを感じていたという
中野信子さんのものの見方は
とてもやさしいのでそういうところも好きな理由だ。
--あなたの脳のしつけ方--
中野信子