お金と感情と意思決定の白熱教室 楽しい行動経済学 | (本好きな)かめのあゆみ

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かしこいカシオペイアになってモモを手助けしたい。

ぼくが
行動経済学
なる学問の存在を知ったのは最近なのだが
どうやら時代に乗り遅れていたみたいだ。

ブームになって久しいらしい。

たしかに
行動経済学
で採りあげられる実験などの結果には
それとは知らずに接していたようにも思う。

この本は
ぼくの好きな
NHKの白熱教室シリーズ
のなかの1シリーズだ。

何度も再放送されているので
これまでも金曜の夜にたまたま何回か観たことはあったのだが
直近の再放送はわりとがんばって
できるだけ積極的に観ようとした。

行動経済学
楽しい。

いろんな実験が楽しいのもそうなんだけど
直観や経験則と異なるあるいは直観や経験則を上回る
結果が出た実験なんかは特に興味深い。

人間は合理的な存在じゃない
人間は合理的な理由で選択をしない
っていうことがつくづく思い知らされる。

ひとは他人の行動にいかに影響されるかとか
デフォルトの設計の仕方によってひとびとの行動の結果がどれほど違うかとか
属する環境がどれだけひとの行動に影響を与えるかとか
講義の最初からすごくおもしろい。

へえー
へえー
ってしきりにうならされる。

感情と統計が共存できない
っていうのもなるほどと思った。

身近で単純な問題には関心が湧くが
巨大で複雑な問題には関心が向かない
なんてこともそういえば思い当たる。

それから
習慣を変えるのは理屈ではなく感情の経験である
っていうのもそうだよねって思うし。

正直なところ
経済学
という名を冠してはいるものの
崇高な理論体系というよりも
心理学とかマーケティング理論とかマネジメントとか
そういった実用的な
もっといえば
占いとか心理テストとか
そういう軽ささえ感じさせるこの行動経済学。

これを知らないひとに対しては有効な手段になるだろうけど
知っているひとは逆に行動経済学の理論の裏をかこうとするので
そういう意味では普遍的な学問ではなくて
時代の変化にともなって日々更新される道具のようなものなのかもしれない。

とはいえ
この本に書かれている内容は
まだそれほど大衆化されてはいないと思うので
ぼくはこの本の内容をよく頭に入れながら
世界の見えない部分を想像し
上手に活用していきたいなと
そう思うのであった。






--お金と感情と意思決定の白熱教室 楽しい行動経済学--
ダン・アリエリー
NHK白熱教室制作チーム