とうとう9巻まで来てしまった。
いま発行されているのは10巻までなので
次で追いついてしまう。
11巻は当分発行されないんだろうなあ。
ちょっとずつちょっとずつ読み進める。
ときには1巻まで戻ってみる。
そんなたのしみ方。
現実の将棋界では羽生さんが名人位を防衛。
それもぼくにはうれしかったりする。
高城の新担任の怒り。
わかる。
わかるけどそれじゃあふつう。
現代的に割り切り過ぎてる。
学年主任の国分先生はそのうえを行く。
説得力のある答えを出せないことを認める。
そのうえで言う。
――そうこうしているうちに
「努力は自分のためにするものだ」っていう
もう誰に言われたんだか何で読んだんだか覚えてないくらい
耳タコのこのフレーズにブチあたってな…
この年になってやっと
「ああ このセリフ本当なんだ」って心から思ったよ
きっと俺はただずっと
「今よりマシな人間」ってのになりたかっただけだったんだな
「今よりマシな人間」になりたい。
ぼくはもう最近はそんなことを考えることもないな。
なんかもう人生仕上がっちゃっているかのように思っているフシがある。
自分のことだけど。
国分先生はこのあとさらに高城に対して決定的なメッセージを残す。
彼女の胸にこのメッセージがいつか響くことを願う。
ティーンエイジャーはストレイシープだから
こんなふうにいいことばに出会うことが必要だ。
受験勉強をするひなと勉強を教えつつ詰め将棋を解く零の図。
こたつ
みかん
静かなよる
窓の外に雪。
零とひながふたりきりになるのは
周囲は完全に安心しているけれども
ほんとうにそうなのかな。
零には零なりの自制心や葛藤が鋭く働いていると思うし
零のひなへの気持ちは確実に愛と呼べるものだと思うけど。
これがいつどのようにしてわかりやすい関係につながっていくのか
あるいはこのままの関係がいちばんいいのか。
ひなが髪を切って。
ぼくはロングも好きだけどボブも好き。
っていうか似合っていたらなんでもいい。
っていうか本人が気に入ってたらたぶんまわりも気に入る。
宗谷名人と土橋九段の名人戦。
家族の支え。
ほんとうに将棋ばっかりのひとたちだから
家族や周囲のひとの支えっていうのが大事。
で若いころなら自分のことだけに無我夢中だけど
どの世界でも一流になってくると周囲の支えのありがたさがよくわかっている。
島田八段が嫉妬する宗谷名人と土橋九段の対局。
将棋を愛し
将棋の神様から愛される
ふたりの無言の対話。
――3月のライオン(9)――
羽海野チカ