ソチオリンピック、ふだんスポーツにほとんど言及しないぼくもおおいに楽しんでいる。
スキーの滑降なんて大好き。
NHKのサイトで、男子も女子も繰り返し画像を観ている。
あのスピード感、途中で飛んじゃったりもするんだからなあ。
実に爽快。
そして雄大。
さらに豪快。
フィギュア・スケートって感動する。
羽生結弦さんのフリーの演技。
ニーノ・ロータの“ロミオとジュリエット”がハマりすぎで、自然に涙がこぼれてくる。
ああ、ロミオ、あなたはどうしてロミオなの?
イナバウアーが素敵。
浅田真央さんのフリーでの自己ベスト。
フィギュア・スケートって挑戦するスポーツなんだな、ってあらためて思う。
つまり、いまの自分を乗り越えること。
バージョン・アップすること。
バージョン・アップを繰り返すうちに次のステージに上がっていくこと。
いま思えばバンクーバーでのラフマニノフの前奏曲“鐘”も大好きだけど、ソチでの同じくラフマニノフの“ピアノ協奏曲第2番”も伝説になるだろうな。
この2つを合わせてひとつの芸術作品だな。
キムヨナさんの演技も最後まで素晴らしかった。
魅了される。
人間の肉体っていうのはここまで精緻に理想的な動きを実現できるのか、ってため息が出る。
できるだけ、本番の演技だけを観て感動したい、とは思うものの、やはり浅田真央さんとキムヨナさんがふたりで重ねてきた長い時間のことも、考えずにはいられない。
週刊少年ジャンプで連載してもおかしくないくらいの、ライバル関係、そしてかけがえのないお互いの存在、成長。
性格も対照的なふたりの世界最高レベルでの高め合い。
国と国との、偏ったファンとファンとの、うるさいやりとりに悩まされたこともあっただろうけど、ふたりはふたりの世界で、だれにも理解できないくらいの深い関係性を築いているに違いない。
キムヨナさんが、競技終了後に浅田真央さんに捧げたことば、おつかれさま、というのはシンプルだけどものすごく濃密な思いがこもっていると思う。
何十年後かに、ふたりが指導者としてふたたびこの舞台に戻ってくるのも観てみたいけど、ふたりとも指導者になるっていうタイプじゃなさそう。
まあでも長らくいいものを観させていただいた。
ありがとうございます。
今夜のエキシビジョンはかなり華やかなことになるんだろうなあ。
ところで、リプニツカヤさんのキャンドルスピンは、いつまでも見つめていたくなる。
15歳。
フィギュア・スケートのストーリーは、途絶えることなくあらたな軌跡を銀盤に描き始めている。