無から空への旅の途上で | (本好きな)かめのあゆみ

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かしこいカシオペイアになってモモを手助けしたい。

宇宙は無から生まれた。


ぼくはこの考え方が好きだ。


何かの物質から生まれたとすると、その物質は何から生まれたのかという問いが永遠に繰り返されて果てしがない。


いつかは無から生まれたといわなければ問いに終わりが来ない。


いかにして無から宇宙が生まれたか。


その問いに対する答えをぼくはまだ知らない。


ともかく無から宇宙が生まれて137億年。


ちなみに宇宙のある部分は光の速さの3.5倍で膨張しているという。


光より速い膨張速度。


光は進みながら退いている。


なんだか途方もないスケール。


膨張し続ける風船はやがてどうなるか。


風船ならば割れるだろう。


しかし宇宙は風船ではない。


膨張し続けるとするならば、そしてまた宇宙の物質の総量が不変であるとするならば、宇宙はひたすら薄く薄くなっていくのだろう。


やがて、あたかも何もない場所であるかのようになる。


そこは何もない無の場所なのか。


否。


宇宙のすべてがそこにある。


それが空の正体ではないかとぼくは思っている。


いまは無から空への旅の途上。


ぼくは静かに本を読んで暮らしている。