年またぎで第4部に突入。
アースダイバー的手法で大阪の細部に迫る。
土と墓場とラブホテル。
昨日、天王寺七坂をブラ★タカシしてきた。
天王寺七坂は松屋町筋にほど近い。
口縄坂は織田作之助さんの木の都に登場する。
口縄=朽縄=蛇。
巳年にふさわしい坂。
ぼくのお気に入り。
上町台地の西側はかつてのなにわの海に至るがけ地であるため坂が多い。
がけ地には粘土層がある。
粘土といえば人形。
松屋町筋が人形のまちである由縁がアースダイバー的に語られる。
なるほど。
土偶、瓦、人形。
そして人形は生と死のインターフェイス。
なんだかなまめかしい。
生と死といえば寺と墓地。
墓地といえばラブホテル。
ラブホテルでひとはアニミストからマテリアリストに変貌する。
うーんわかるようなわからないような。
ぼくとしてはよりアニミストになりそうな気もするけど、ってこれは気取りかな。
カマドと市場。
黒門市場は価値転換の場所。
市場に海を現出させるわざ。
カマドと市場はモノの価値を転換する場所という点で共通。
とはいうものの市場は活気がありすぎてぼくには少しきついなあ。
こんなふうに感じる時点でアースダイバー失格?
大阪の地主神。
生玉神社と坐摩神社。
ツゲ一族とか渡辺一族とか知らなかったなあ。
そういう流れがあったのね。
女神の原像。
姫=ヒメ=日妻。
大阪のマダムたちは太陽の妻だったのか。
どうりで天真爛漫。
コリア世界の古層と中層。
焼肉とかチヂミとかが好きでしばしば訪れる鶴橋とかコリアンタウン。
いまひとつわかっていなかったのだが、戦中、戦後の移住者のみなさんはいわゆる中層で、その1500年前にやってきた渡来人のみなさんが古層ということになるわけね。
アースダイバー的には1500年前にやってきた海民たる渡来人のみなさんと、もともとこのあたりに住んでいた縄文系や弥生系のみなさんとのハイブリッドにより現在に通じる大阪の気風というか文化のようなものができているということ。
これはよくわかるような気がする。
そしてそれを感じることによって悠久の旅の果てにいまのぼくがいることを感じる。
なんだか遠い。
それにしても中沢新一さんの想像力と表現のすばらしさ。
実際にその時代から今日までをつぶさに見てきたかのような臨場感。
アースダイビングの場として東京の次に大阪を選んでくれてありがとうございます。
――大阪アースダイバー 【第4部 アースダイバー問題集】――
中沢新一