ブレードランナー | (本好きな)かめのあゆみ

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かしこいカシオペイアになってモモを手助けしたい。

BSプレミアムで

ブレードランナー

を観た。


深夜。

部屋の明かりを消して。


以前から

SF映画の金字塔

などといろんな場所で語られていて

興味を抱いていたものの

なかなかきっかけがなかったのである。


1982年公開。


ハリソン・フォードさんが若い。


っていっても当時40歳くらいなのだが。


原作は

フィリップ・K・ディックさんの

アンドロイドは電気羊の夢をみるか?

こちらも興味を抱きつつ未だ読めずの作品なのである。


30年前も現在もそんなに映画の表現は変わらない。


古びていないというか新しいというか

まったくもってよくできている。


猥雑な近未来。


設定の2019年は間もなくではあるが

およそ映画の世界に現実の世界は追いついていない。


iPS細胞があったところで

レプリカント

は何十年も実現しないだろう。


SF作品はいつも寓話と箴言に溢れている。


イメージは膨らむ。


完全な肉体を持つレプリカント。


しかし感情に欠陥がある。


それを補うために「記憶」を注入する。


記憶というあやふやな概念。


思い出は確かにそこにあるようでいて

掴もうとすると手からこぼれおちる。


限られた生命の期間。


4年という時間は果たして苦悩するほどに短いものなのだろうか。


むしろ人間のために奴隷労働を強いられる不自由さこそが

レプリカントを反逆に向かわせるのではないか。


人間は母の子宮から生まれるから人間なのか

遺伝子操作で溶液のなかで培養されて生まれても人間なのか。


同じ姿の生物を隔てる壁は

DNAを理由に持ち出すまでもなく

人間の社会の初期設定である。


デッカードもレプリカントである

という解釈はぼくにとってはとても魅力的。


雨のシーンが印象に残る。


雨のなかで人間は理性を保つことはできない。


獣であることを思い出す瞬間。




--ブレードランナー--

監督 リドリー・スコット

出演 ハリソン・フォードなど