宇宙には夜は来ない
いつだって光に照らされている
夜がなければ昼もない
もしも
太陽と私だけしか宇宙に存在しなければ
太陽に向かって立っているときの私は昼で
太陽に背を向けて立っているときの私は夜である
昼の私は夜の私を欲し
夜の私は昼の私を欲する
もしも
太陽と私の蜜月に月がわりこんできたならば
そして月が私の周りを回転しはじめたならば
太陽と私との関係には劇的な変化が生じる
月のある昼と
月のない昼と
月のある夜と
月のない夜
私はめまぐるしく変転する
太陽と月と私との関係に目が回りつつ
変化を楽しむのだ
宇宙には夜は来ない
地球で生きるぼくたちは
太陽や月を神に見立てることがあるけれど
宇宙でうまれたこどもたちは
いったい何を神に見立てるのだろう