文學界 9月号
で
穂村弘さんのエッセイ
も詩も詩
を読んだ。
或る日記
と題して
二階堂奥歯さんの
八本脚の蝶
という日記を紹介していた。
冒頭に引用されていた
2002年4月6日の日記の文章の美しさに
うっとりとした。
(http://homepage2.nifty.com/waterways/oquba/month/oquba200204.html )
ぼくはこういう文章が大好き。
このひとの感性とか
このひとのことば選びのセンスとか
このひとの考え方の癖とか
どれもこれもぼく好みだ。
穂村弘さんのエッセイで
二階堂奥歯さんが最後にどうなってしまうかを知ってしまったせいか
危なっかしくて純粋で真っ当で繊細な
そんな印象をこれらの日記から感じてしまうぼくがいる。
ああこんなに世界がクリアに見えているのに
ああこんなにひとに対する思いやりがあるのに
ああこんなに生きることの意味を知っているのに
その決着のつけ方はずるいのではないか。
そんなふうに思う。
この日記が虚構か現実かは知らない。
おそらく現実なのだろう。
けれどもぼくは
ただ目の前の文章が描写する
美しい思考に心を奪われるのみなのだ。
この文章を引用して解釈する
穂村弘さんの感性にも
羨ましさを感じずにはいられない。