降り止まぬ猛烈な雨の中
ジャブジャブ泳いで
きみに会いに行く。
湿った空気のにおい
秒速10メートルの雨粒が空気を裂くおと
目に届く光は印象派の絵画のように滲み
景色は輪郭を失う。
シャツもパンツも脱水前の洗濯物のようで
エメラルドグリーンのレインブーツだけが水を得た魚。
ぼくはきみに会いに行く
きみは部屋で待ってる。
きみに会うたびぼくは痩せてくっていわれる。
しあわせなのにこれって変?
正解や間違いなんて問う意味さえなくて
いまここだけがぼくの存在。
激しさを増す雨の中
じゃぶじゃぶバタフライになって
ぼくは街を泳いでいく。