梅雨スイマー | (本好きな)かめのあゆみ

(本好きな)かめのあゆみ

かしこいカシオペイアになってモモを手助けしたい。

降り止まぬ猛烈な雨の中

ジャブジャブ泳いで

きみに会いに行く。


湿った空気のにおい

秒速10メートルの雨粒が空気を裂くおと

目に届く光は印象派の絵画のように滲み

景色は輪郭を失う。


シャツもパンツも脱水前の洗濯物のようで

エメラルドグリーンのレインブーツだけが水を得た魚。


ぼくはきみに会いに行く

きみは部屋で待ってる。


きみに会うたびぼくは痩せてくっていわれる。

しあわせなのにこれって変?


正解や間違いなんて問う意味さえなくて

いまここだけがぼくの存在。


激しさを増す雨の中

じゃぶじゃぶバタフライになって

ぼくは街を泳いでいく。