NHKのFM放送が好きである。
車を運転しているときには
できるだけ聴いている。
家でも聴きたいのだが
電波の入りが悪くて
あきらめていた。
ところが
平成25年度末までの
試行放送ながら
ネットでも聴けるようになってから
隙あらば
家でも聴いている。
先日
土曜日の夜に
ぼーっと
NHK-FMを聴いていると
聴き覚えのある声が。
加羽沢美濃さん。
加羽沢美濃さん
好きなんですよね。
作曲家でピアニスト。
CDもたくさん持っています。
その加羽沢美濃さんが
司会を務める
名曲リサイタル。
これはよい番組を発見した
と思っていたら
加羽沢美濃さんは
もう9年もこの番組の司会を
務めていたんですってね。
知らなかった。
もっと早く知りたかった。
そういうことで
遅まきながらも
できるだけ聴くようにしていた。
ところがところが
なんと本日が最終回。
がーん。ががーん。
な
なんでこんなにいい番組が
終わっちゃうの?
もったいないじゃない。
しみじみと最後の放送を聴いていた。
本日の番組の最後の演奏。
一緒に司会を務めていた
NHKの
伊藤健三アナウンサーの朗読と
加羽沢美濃さんのピアノの即興演奏による
高村光太郎さんの
智恵子抄から
樹下の二人。
うわ
これはぐぐぐぐっとくる。
愛が愛が愛が。
なんて美しい詩。
あれが阿多多羅山
あの光るのが阿武隈川
ぼくは
野田秀樹さんの戯曲
売り言葉
での
大竹しのぶさんの
演技に胸を引き裂かれてから
あんなにもこころの美しい智恵子を狂わせた
高村光太郎というおとこを
どんなに美しい詩を書こうとも
憎んでいるのだが
それでも今日の
伊藤健三さんと
加羽沢美濃さんの
ジョイントには
万感込み上げるものがあった。
この2人は4年間
一緒に番組の司会を務めていたらしいのだが
きっと素敵な時間を共有してきたのに
相違ない。
伊藤健三さんの加羽沢美濃さんへの愛が
聴いているぼくにまで
ひしひしと伝わってきたのだった。
いわゆる恋人どうしの愛でなくても
誰かが誰かを大切に思う気持ちっていうのは
ほんとうにほんとうにほんとうに美しいのだなあ
と久しぶりに思い出したような気がした。
ああ
短い間だったけれど
ぼくにも幸せな時間を分けてくれて
どうもありがとうございました。
といいつつ
NHK-FMのクラシック番組は
なくなるわけではなく
時間帯と構成を変えて
あらたに生まれ変わるらしいので
またぼくは聴くのでしょう。
しかも
加羽沢美濃さんは
4月から
TVのNHKのEテレで
ららら♪クラシック
という新番組を
石田衣良さんと一緒に
司会するらしいので
そちらも楽しみ。