岩崎書店の
意欲作
怪談えほんシリーズ。
企みの想いに共感。
世の中は
きれいでやさしい物語で
あふれているけれども
怖ろしさっていうのも
捨てがたい感情なのだ。
ぼくもこどものころは
怖いはなしが
好きだったなあ。
耳なし芳一
とかいまだに怖ろしいもんなあ。
で
その怪談えほんシリーズから
ちょうつがい きいきい
を読んでみた。
おとなになってしまったぼくには
もはやこの作品で
怖ろしさを感じることは難しいけれども
こどもはどう感じるのだろうかなあ。
訊いてみたいなあ。
むしろ絵が怖ろしい。
細部を見ていると
なんだかじわじわと不気味感が
迫ってくる。
で
まあぼくなんかは
おばけを去らせる方法とか
おばけも人間を助けるときがあるとか
教訓めいたことを
この絵本に求めてしまいそうになるが
結局最後まで
怖ろしさが解消することはなく
どんどんエスカレートしていくところが
こどもに不気味感を与えるのだろうなあ。
でも怖いものは怖い。
それでよし。
-ちょうつがい きいきい-
加門 七海 作
軽部 武宏 絵
東 雅夫 編