短歌は難易度が高い。
鑑賞が容易ではない。
短い文章と侮ると見落とす。
散文と同じ調子で読んではいけない。
行間を読め
っていったって行間だらけだ。
奥の細道
ならばその句に至る背景が述べられている分だけ
イメージが沸きやすいのに。
きらっきらっしていることばの集積。
ぼくのどこをどうひっくり返しても
出てきっこないことばたち。
手紙魔まみは実在するか。
思わず検索しかけてやめる。
そんなのどうだっていいじゃないか。
実在しようが
穂村弘さんの創作であろうが。
手紙魔まみは
異星人に相違ない。
少なくともぼくが普段暮らしている世界では
お目にかかることはない。
見えてる世界が違う。
吸ってる空気が違う。
そんなことばを
拾い集めて組み合わせる
穂村弘さんのセンスにためいき。
読むたびにお気に入りの歌が変わる。
いまはこれ。
夜が宇宙とつながりやすいことをさしひいても途方にくれすぎるわね。
絵はタカノ綾さん。
ぼくがはじめてタカノ綾さんの作品を
それと気づいて鑑賞したのは
去年の国立国際美術館での
絵画の庭-ゼロ年代日本の地平から-。
そのときははっきりいって
えっこれがアートなの?
単なる少女のお絵かきじゃないの?
なんて申し訳のない感想を抱いてしまったが
穂村弘さんのガーリーな歌たちとの
世界観が絶妙のマッチングで
妖しい少女たちの世界に魅了されたのでした。
彼女たちも異星人。
-手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)-
穂村弘+タカノ綾