てこずりました。
660ページあまりの長編。
初めて阿部和重さんの作品を読んだので
不慣れなせいもあったのかもしれませんが
序盤から半分の330ページあたりまでは
正直言って苦しかったです。
この話にはいつ惹きこまれるのかと。
四姉妹の物語と思っていたので
もっと華やかな展開を想像していたのですが
読み始めるとそういうわけでもなく
淡々と物語が進んでいきます。
後半に入ると
テンポが急にアップして
どんどん進んでいくので
そこはおもしろかったのですが
期待していた展開とはちょっと違ったせいか
どのエピソードももうちょっと盛り上げてくれたらいいのに
って感じる納め方でした。
一子相伝のアヤメメソッドと呼ばれる
草花の秘術をめぐる
一族の悲しき物語。
もしもぼくの期待通りに
四姉妹が秘術を駆使して
事件を解決するような物語だったら
それはそれで
ありきたりの作品になったでしょうから
作者の意図はぼくの思惑とは異なるところに
あるのでしょう。
もしかしたら
続編で
四姉妹が活躍する作品が書かれるのでは
と思わせる記述もあるように感じたので
このピストルズは長い長い序章だったのかもしれません。
いわずもがなかとは思いますが
阿部和重さんのファンの方なら
もっと上手にこの作品の良さを語れるのでしょうけれど
ぼくにはこれがやっとです。
神町サーガ
といわれるだけに
シンセミア
グランド・フィナーレ
ピストルズ
と順番に読むともっと楽しめたのかもしれません。
ちなみに
ちかごろぼくがこのブログで
記憶記憶
と言っているのは
この本の影響だと思います。
-ピストルズ-
阿部和重