冒頭にひとこと申し上げます。
再放送を切に希望いたします。
今朝新聞で放送を知ってから
楽しみにしていたのに
時間を勘違いしていて
途中からしか観られなかったよ。
やっぱりサンデル教授
好きだ。
放送内容についてNHKのサイトから引用します。
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ハーバード大学マイケル・サンデル教授が、インターネット中継で、東京、ハーバード大学、上海復旦大学の学生たちに向けて難問を投げかけ、白熱の討論を繰り広げます。今回のテーマは、震災からの復興について。
これはもちろん日本だけの問題ではありません。ハリケーン・カトリーナ、四川大地震など、アメリカ、中国も過去たびたび悲惨な自然災害に襲われています。自然災害に政府の倫理的な責任はあるのでしょうか。政府の補償の範囲は、個人の財産や生活のどこまで及ぶべきでしょうか。
人災と言える原発の被害はどうでしょうか。誰に責任があるのか。被害者への補償は誰が負うべきなのでしょうか。同じく人災である、2008年の金融危機の時、強引なビジネスで世界を奈落の底に落とした投資銀行は、被害を受け た人々に補償はしませんでした。それどころか政府からの巨額の資金を得て救済されたのは公正と言えるのでしょうか。サンデル教授と世界の次世代のリーダーたちが、震災復興のあり方を根源から問い直します。
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問題の整理の仕方が実に素晴らしい。
そうくるか
って感じ。
4月に行った特別講義から5ヶ月。
さらに深化していました。
原発事故による東京電力への対応と
リーマン・ショック時のウォール・ストリートの金融界への対応
の共通するところとしないところの議論とか
なるほどと思いました。
さらに
原発は今後も推進されるべきか
との問いに対する賛成者は
当初いずれも8人中
日本4人
中国6人
アメリカ8人
であったのが
では自宅の近くに原発が建設されるとしたら
と問われると
日本1人
中国は忘れましたが
アメリカ4人くらいだったかな
いずれも減りました。
しかもみんな迷いながら。
そう
自明の理と自分で思っていたことも
少し光の当て方を変えると
にわかに怪しくなっていくこと。
迷うことは悪いことではないと
サンデル教授は言います。
そして
経済的支援と引き替えに
自ら原発立地に名乗り出た地域があるとしてそれは公平か
との問いに
学生たちには
それはいかなるビジネスにもありうることだ
とする人も
その地域が原発立地に名乗り出なければならないほどの
経済状況に追い込んだ責任は誰にあるのか
とする人もいて
ますます問題が簡単ではないことが分かってきます。
サンデル教授は
米国の南北戦争時に
金を払って誰かを身代わりに戦地に
送り出した事例を引き合いに出し
金でリスクを渡すことの倫理的な是非について
問います。
そして学生の1人から
金でリスクを引き渡すとしても
元のリスクの所有者は
金を支払った後もできるだけ
そのリスクを減らすように努める責任を
負い続ける
という意見を引き出します。
これはつまり
原発を引き続き推進するとしても
金を地域に渡してお仕舞いではなく
リスクを低減する責任を
国民は持ち続ける
ということになります。
まあ
結論としては
はなはだ不充分ではあるだろうし
そもそもサンデル教授も学生たちも
結論が出たとは思っていないだろうけど
とにかく独りよがりな論理はいかにもろいかということと
立場の異なるものとの議論の重要性を
学生や視聴者が認識したのは
大きな成果だと思う。
ああ
サンデル教授が日本の首相になってほしい。
いや
やっぱり実務者と研究者は
役割が違うから無理かな。
でも
この番組はすごくエキサイティングでしたよ。
途中からしか観ていないけども。
-マイケル・サンデル 究極の選択
第2回 「震災復興・誰が金を払うのか」-
マイケル・サンデル