ワーカーズ・ダイジェスト | (本好きな)かめのあゆみ

(本好きな)かめのあゆみ

かしこいカシオペイアになってモモを手助けしたい。

読みました。


大阪が舞台だと

知ってる場所が随所に出てきて

なんだかそれだけでも楽しいです。


別々の会社ながら

ともに代役で臨んだ仕事の打ち合わせで出会った

同じ姓で同じ年齢で同じ生年月日の男女の

30歳から32歳までの仕事を中心とした生活を

綴っています。


これぐらいの年代の会社勤めの男女には

身につまされるような

そんなありふれたお話です。


仕事や人間関係や恋に

お疲れ気味の会社勤めのみなさんに

お勧めの1冊です。


冒頭は

サラリーマンあるある

みたいな自分にも身に覚えのある

会社勤めに伴うあれやこれやが

描かれて

ぼくとしてはちょっと退屈でしたが

おもしろいといえばおもしろいです。


けれども津村記久子さんお得意の

ちょっとした些細な悪意の積み重ねにより

どんどん登場人物が疲弊していく描写あたりから

俄然目が離せなくなりました。


あーこの辛さ

分かるなあ

って会社勤めの経験がある人なら

きっと頷くでしょう。


まあ

ぼくからすると

ちょっとあまりにも磨り減りすぎていて

草食系にもほどがあるぞ

といいたくなることもありましたが

今の世の中は窮屈で

結局こういう風に生きている人は多いんだろうなあ

とそう思います。


帯の

疲れてるのは、あんたが悪いんやない。

って言葉に救われます。





ところでこの本

MARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店

で購入しました。


混んでるのが嫌で

開店してから一度も

近付いていなかったんですが

たまたま平日の午前中に訪れる機会があり

本の表紙を眺めながらぶらぶらと楽しんでいると

著者サイン入りのこの本が並んでいました。


文庫派のぼくは

置くスペースがないので

図書館で借りるつもりだったため

一度はスルーしたんですが

ふとみると

著者の色紙が店内に飾ってあり

そこには次のように書かれていました。


会社帰りにおじゃましております。

人助けだと思って一冊買ってみてください。


津村記久子さんは現役会社員で

確かこのあたりに勤めているんです。


そういうわけで

会社員作家を助けるイメージで

購入したのでした。


恩着せがましくてすみません。


かわいらしい文字で書かれた

本のサインも会社員泣かせです。


働く者にこそ

五分の魂

津村記久子





-ワーカーズ・ダイジェスト-

津村記久子