ピクニック | (本好きな)かめのあゆみ

(本好きな)かめのあゆみ

かしこいカシオペイアになってモモを手助けしたい。

こちらあみ子

では

自分の意思とは裏腹に

周囲を不幸に導いてしまう

あみ子の目線で物語が進められましたが

ピクニック

では逆に

あみ子的な立ち位置の

七瀬さんの内面などは描かれず

七瀬さんを取り巻く若い先輩たちの目線で

物語が描かれていきます。


七瀬さんの独自の世界に寄り添っている

やさしい先輩たちのように思えたり

からかい半分で付き合っているのではないかと

思えたりして

それぞれのあり方もなんだか微妙です。


七瀬さんの

心の孤独と闇も

ところどころに暗示されていて。


愛の反対は無関心である


なんてことばもあるものの

やさしさは得てして

無関心よりも残酷なことがあります。


物語としては

両手の指で目を隠しながら

指のあいだからやっぱり見てしまうように

目を逸らすことができないんですが

現実社会では

ちょっとあんまりこういう世界には

関わり合いになりたくないな

と思うぼくは冷たい人間でしょうか。




-ピクニック-

今村夏子