ぼくにとって
東北地方いえば
宮沢賢治さんと
井上ひさしさんの
イメージになります。
新潮文庫の
宮沢賢治さんの短篇集
注文の多い料理店
の巻末に
井上ひさしさんが
つめくさの道しるべ
という文章を寄せています。
一部
引用します。
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東北地方はじっさい妙なところで、これまで一度も中央政府と足並みが揃った試しがない。もっと正確に言うと、東北がそのつもりになって足並みを揃えようとすると、どういうわけか決まって中央がちがう歩調を採り出す。いや、ちがう歩調ならまだいい、中央はぷいっと明後日の方角へ駆足して去ってしまうのだ。
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井上ひさしさんのこの言は
実感がこもったものだっただろうと思います。
井上ひさしさんの
吉里吉里人
では
中央政府に裏切られ続けた村人たちが
日本から独立して
吉里吉里国を建国しようとします。
ユーモア満点の超娯楽小説ですが
フィニッシュの恐ろしさったら
どこにも持っていけない感じです。
東北地方に溢れんばかりの愛を注いでいた
井上ひさしさんが
今も元気に活躍していれば
この1か月の日本の風景は
もっと違ったものになっていたと
思います。
もちろん今後も。
井上ひさしさんのモットーは
むずかしいことをやさしく
やさしいことをふかく
ふかいことをゆかいに
ゆかいなことをまじめに
だったそうです。
東北地方と日本の関係は
劇的な変化を遂げるでしょうか。