天の原   安倍仲麿 | (本好きな)かめのあゆみ

(本好きな)かめのあゆみ

かしこいカシオペイアになってモモを手助けしたい。

天の原 ふりさけ見れば 春日なる

三笠の山に 出でし 月かも


安倍仲麿





今宵は満月ですね。


大阪の冬の夜空はどこまでも澄みきって

消灯した屋内から眺めるましろな円は

あまりにも絵になりすぎます。


うっとり。


遣唐使で唐へ出向いた作者が

その長い留学生活を終えようとするときに

詠んだ一首だそうです。


遠い異国の唐で眺めた月も

故郷を離れる前に奈良の春日で眺めた月も

(そしていまぼくが眺める月も)

同じ月なんだなあって思うと

時空を超えたなんらかの存在にたどり着きます。


故郷で頑張るあなたにも

故郷を離れて頑張るあなたにも

同じ月が静かに見守ってくれていますよ。