バカの壁 | (本好きな)かめのあゆみ

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かしこいカシオペイアになってモモを手助けしたい。

初めて読んだときは

なんか

ピントのずれた議論だな

と思いましたが


時間を空けて

何回か読むと

その都度

あらたな意味と

出会います。


例えば

個性

について。


もう何年も続いている

「個性を伸ばそう」

というキャンペーンに

異議を唱えます。


そもそも

人間は

その存在自体が

個性的なもの。


特に肉体、

さらに

体内の機能なんて

同じものはひとつとして

存在しません。


その個性的なものが集まって

社会を形成しようとすれば

共通認識を

増やしていかなければならないことは

あたりまえのこと。


脳は

共通認識を

増やそうとしていく

構造になっているそうです。


だから

「個性を伸ばそう」を

それぞれが好き勝手に

やることだと勘違いしていくと

もともと個性的なものたちですから

結果

ばらばらで

無秩序で

おかしな社会が

できあがってしまうのは

自明の理。


だから

「個性を伸ばそう」

っていういいかたじゃなくて

「他人の気持ちを想像してみる」

っていうキャンペーンをはった方が

いいですよ。


という感じです。


最初に読んだときは

「個性的な自分」神話を

信じていた

自分の考え方と

噛みあいませんでしたが

最近はよく分かります。


誰でも

わざわざ

個性的にしようとしなくても

そのままで充分

個性的であることが

分かってきました。


服装とか

行動形式とか

思想とか

そういう表面的なことを

同化させると

(学校組織とか会社組織とかでありがち)

全体主義的で

確かに気持ち悪いですが


他者の

気持ちや立場

置かれている状況

を想像してみる

(かならずしもやさしい思いやり

である必要はないですが)

っていうのは

個性とは別の次元で

お互いが気持ちよく生きていくためには

必須な能力だと思います。