週に5日間
ビルの地下1階から地上7階まで
朝夕
屋内階段で往復している。
いつ来るのか分からない
エレベーターを待つのと
やっと来たエレベーターが
混んでいたりすると
嫌なので
階段を利用している。
(健康のためではない。)
このビルの屋内階段は
鋼鉄の扉で
各フロアと区切られているため
閉鎖感がある。
忙しい日が続くと
階段を上りながらも
昨日階段を降りたのが
ついさっきのことのように思えて
1日のうちで階段を上り下りしている
記憶だけが鮮明になってくる。
ときどき夢想する。
このまま階段室に閉じ込められたら
と。
7階のフロアへ出ようとしても
鋼鉄の扉が開かなかったら
と。
そして地下1階まで
各フロアの鋼鉄の扉を
チェックして回るも
どの扉も開かず。
やむなく
8階まで上がり
さらに各フロアを
上に上にとチェックしていく。
しかし開かない。
携帯電話もつながらない。
いつの間にか
20階のフロアに到達している。
確かこのビルは
18階建てだったのではないか?
振り返ると
上ってきたはずの
階段がなくなっている。
暗闇が広がっているばかりである。
そして
引き続き
上へ上へと。