夢十夜より 第六夜 | (本好きな)かめのあゆみ

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かしこいカシオペイアになってモモを手助けしたい。

芸術は

芸術家がつくりだすものではなく

もともとある芸術を

芸術家が見つけだすのだ。


というのはぼくの好きな考え方です。


よく


天から降ってきたように

すらすらと

作品ができあがった


っていう話をききますが

そういう感じです。


モーツアルトの曲や

谷川俊太郎の詩なんかを思い浮かべます。


明治時代に現れた運慶が

もともと木の中に埋まっている

仁王を掘り出すがごとく。


絵画でも彫刻でも

音楽でも数学でも

文学でも人間でも


こういうのは

プラトンのイデアの

考え方と似ているんですよね。


絶対普遍の真・善・美があって

人間はその影をみているに

過ぎないっていうやつです。


この物語では

運慶を真似た男は

とうとう仁王を掘り出せず


明治の木の中には

仁王はいないようだ


と終わります。


まとまりのない文章になりました。


どうやらぼくにも

仁王を掘り出す能力はないようです。



-夢十夜より 第六夜-

夏目漱石