NHK教育で
劇団四季の「ひかりごけ」
を放送していました。
劇団四季って
ミュージカルだけでなく
ストレートプレイも
やってるんですね。
内容は実に良かったです。
高校時代だったかな?
教科書で読んで、
その時の感想は、よく覚えていませんが
何故かその後も気になっていて
おとなになってから読んで
衝撃を受けました。
こういうのをプロレタリア文学というのか
と思いました。
強烈な衝撃は受けたものの
その意味するところは
充分には理解できず
ただ、こころの中にざらっとした不快感と
違和感が残り、
同時に大切な一冊にもなりました。
で、たまたま今回、
劇団四季の芝居で観て、
理解が深まりました。
船長役の日下武史さんの存在感、説得力は
圧倒的でした。
乗組員や裁判所の人々の
常識的なというか
幼稚なというか
素朴なというか
基本的な葛藤をものともせず
「我慢」している姿は
今のぼくにとっては
とてつもない覚悟と悲しみとして
伝わってきました。
カミュの「異邦人」の主人公
ムルソーの姿とも重なりましたので
実存主義文学ともいえるのでしょうか?
一体、船長は何を我慢していたのかは
まだ分かりませんが
運命というか不条理というか
うだうだ言わずに
誰のせいにもできずに
我慢し続けなければならない感じってのは
少しは分かるようになってきたと思います。
浅利慶太さんの演出も良かったです。
-ひかりごけ-
武田泰淳
劇団四季