どうも、takashirioです。
結構ご覧いただいている方がいらっしゃるみたいで、ありがとうございます。
さて、債権回収についてだいぶ解説してきましたが、今日は解説の前にちょっと話させて
もらいますね。
私は経験がありませんが、皆さんの業界は結構、上下関係が激しいと聞いています。
でも、いくら先輩だからと言って、後輩をアゴで使ったリ、パシリに使ったりすること
や、さらには暴力をふるうことなどは、法律上好ましいことではありません。
なぜかというと、先輩、後輩の関係は、お店との雇用契約と関係がないからです。
部長が部下に業務命令をすることは、法律上適切ですが、ホストさんは先輩・後輩関係
なく、全員が一従業員であり、仕事に関係がないことまで、後輩がする義務はないから
です。
もちろんヘルプにつくことは、お店の業務上必要な行為ですので、問題はありません。
まあ、こう書いても、先輩、後輩の関係や派閥の関係は法律と関係なく重要なものです
から、無視することできないんですけどね。
それから、こんなこと言わなくても、いい先輩には自然と後輩がつき、何も言わなくても
先輩のために動いてくれますけどね。
なお、明らかに不当だと思われるようでしたら、音声をICレコーダーでとるなど、証拠
を確保した上で、しかるべき対応をして下さい。
あっそうそう、労働問題は、このテーマが終わりましたら、説明しますね。
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さて、本題に戻りますが、今日は調停についてお話しますね。
「調停」とは、当事者同士の合意によって紛争の解決を図ることを目的とするもので、
裁判官と民間人(弁護士や大学教授などが中心)から選ばれた調停委員で構成される
調停委員会が、双方が納得の上で問題を解決できるように、助言やあっせんを図る手続
です。
まあ、簡単にいえば、裁判所で第三者を入れた話し合いです。
調停には、交通事故などの紛争についての民事調停と、婚姻中の夫婦間の離婚や夫婦関係
の円満調整などに関する家事調停とがありますが、当然ツケの問題についても、この民事
調停で話し合いができます。
調停の特徴としては、必ずしも法律にしばられず、お互いの合意の下に、円満な解決を
図ることができること、また、普通の裁判みたいに公開で行われないので、他人には
知られたくないような場合でも、安心して事情を話すことができるため、お店やお客様
のプライバシーを守れることがあげられます。
それから、解決までに要する期間も比較的短く、申立手数料も訴訟に比べて安くなっており、
しかも法律論は不要なので、弁護士に頼まなくてもできる点もメリットの1つと
言えます。
なお、当事者間に合意ができ、調停が成立すると、その合意は訴訟における確定判決と
同じ効力を持つことになるのもいいですね。
ちなみに、裁判所における民事調停の流れは以下のとおりです。
① 申立人からの調停申立て
→ 申立人はお店ですが、すでに立て替えて支払っている場合には、ホストさんや
キャバ嬢さんが申立人です。
→ 相手方はもちろんお客様です。
→ 申立書の用紙は裁判所にあります。書き方も教えてくれます。
② 調停期日の指定(申立人・相手方へ)
③ 両当事者の裁判所への出頭
→ 正当な事由がなく出頭しないときは、5万円以下の過料(民事調停法34条)。
④ 調停期日
→ ツケの発生した事実とまだツケを払ってもらっていない事実を主張します。
→ すでに内容証明郵便を送っている場合荷は、それを持っていくとよいでしょう。
→ 紛争の実情を聴取した上、解決案を提示したり両者の関係を調整したりします。
⑤ 合意により調停成立
→ 調停調書作成(執行力あり)
→ なお、不調(調停不成立)の場合には、訴訟など他の手続が必要になります。
*調停が成立したのに、お金が払われない場合には、強制執行です。
では、次は普通の裁判について、お話ししますね。