
空は青かった。
東京の風は強くて、
セットしたはずの髪の毛が一気にぼさぼさ。
洗濯物は地面に落ちていて、また洗濯しなくちゃいけなくなった。
今日は市役所に行って、住民票を取りに行った。
引越し先に住む際に必要な書類のためだ。
お昼頃に行ったからか、
市役所にはあまり人がいなくて、
対応してくれたおじさんがとても親切で嬉しかった。
だけど、帰り際にそのおじさんのほうを見ると、
クレーマーのようなおばさんの対応をしていて、大変そうだった。
帰り道、相変わらず風は強かった。
風はオレに吹いていた。
なんてね。
市役所にはバスで行ったほうが楽チンだったから、
行きはバスで来たけど、帰り道は歩いて家に帰ることにした。
距離を計算してみると、市役所から家まで2.5kmほど。
いつもは市役所まで近い駅まで行って、駅からバスというルートなのだが、
意外にも家から歩いていける距離で驚いた。
風の強い中、歩く。
音楽を聞きながら歩く。
空は青かった。
ちょっと小さい雲が空を泳いでいた。
遠くに流されていく雲。
誰も外を歩いていないから、
歌いながら帰った。
気持ちがちょっとだけ晴れた。
空は青い。
本当にこの空は遠くまで続いているのかな。
いつまでもこの空が未来永劫続くのかな。
帰り道にあった大きなスーパーでオレンジジュースと豆乳と
夜ご飯と明日の朝ご飯のためにタマゴサラダを買った。
スーパーの中は人は少ないけど、
ニュースで報道されているとおり、
水やインスタント食品、あらゆるものが空っぽになっていた。
コンビニの規模以上の場所で
空っぽの棚が続いているのを見ると、
またちょっと切なくなった。
空は青いよ。
いつもと変わらない空がそこにはある。
きっと明日もこんな空が広がっているんだろうな。
これがどっかでは日常であって、
どっかでは非日常なんだろう。
これが平和であり、異常であり、
穏やかであり、慌ただしいんだろう。
日々は表裏一体でどっか静かに何かが僕らの目の前をいつもかすめていく。