大阪の南北格差を垣間見た
大阪の南北格差を垣間見た
岸和田に用事があって、南海本線でなんば駅から急行で岸和田駅まで行った。用事の後、周辺をぶらぶらしてみたが、いくら平日だと言ってもあまりに寂れていることに驚いた。大阪府南部の有力市の玄関口の駅とは到底思えなかった。
あるいは、JR阪和線の東岸和田駅前が栄えているのだろうか? 地元の人はそんなことをちらっと言っていた。
それにしても、南海本線の始発・なんばと、大阪府の有名観光地であるはずの岸和田との落差が、あまりに大きくて、これはもう南北格差というほかないように思う。
(南海なんば駅前、綺麗に整備された広場)
(南海岸和田駅前、周辺に店舗が少なく、寂れた感じ)
南海岸和田駅前の商店街は、完全に(文字通り)シャッター通りだった。昼食をとろうと思ったのだが、まともに昼ごはんを食べるような店はなかった。それは駅の正面玄関の側でも同じだった。
バス停とタクシーのロータリーがある駅正面には、岸和田市の市民ホールの宣伝コーナーが、ポツンと立っていた。それがなんだか、地方の町の凋落の象徴に見えて、せっかくのゴダイゴのライブ・ポスターもうらぶれて見えてしまう。
維新の会の府政が10数年続く中で、大阪府内は、インバウンド景気に沸く大阪市中心部のキタとミナミ、再開発で栄える大阪駅周辺だけに富が集中しているように見える。
少なくともこの数年、回復したインバウンドのおかげで、大阪市内だけは海外からの観光客がどこもかしこもいっぱいだ。今日乗った南海本線も、なんば駅の改札付近に、大荷物を持った外人観光客が列をなしていた。関西空港に向かう急行にも、トランクを引いた観光客が大勢乗っていた。
それなのに、観光客は岸和田には降りず、そのまま関空へ行ってしまうのだ。逆に、関空からすぐなのに来日した海外観光客は、岸和田を素通りしてなんばへ行ってしまう。
もちろん、岸和田には「だんじり祭り」という強力な観光の目玉があり、そのシーズンには観光客で溢れるのだろう。
けれど、大阪南部で最も知名度が高い町であるはずの岸和田の、普段の姿がこれほど寂れているというのは、やはり大阪府内での南北格差が現実に目に見えていると考えざるを得ない。
こういう問題は、一朝一夕には解決しないし、原因も複雑に絡み合っているだろう。それでも、現在の維新の会支配下の大阪で、富が北大阪と大阪市の繁華街に集中していて、その傾向はどんどん加速していることに、疑いの余地はない。
このままでいいはずはないだろう。
ちなみに、北大阪の主要な町は、特に観光地というわけではないが、普段からこんな感じで賑わっているのだ。
(豊中市)
(吹田市)
(茨木市1)
(茨木市2)
(箕面市)