(加筆2022年5月31日)アーカイブ公開! 「涼宮ハルヒと、ナンシイ・ブラケット」書籍化企画 | 作家・土居豊の批評 その他の文章

(加筆2022年5月31日)アーカイブ公開! 「涼宮ハルヒと、ナンシイ・ブラケット」書籍化企画

(以下、加筆 2022年5月31日)

 

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「涼宮ハルヒとナンシイブラケット」書籍化企画〜アーサーランサムサーガ研究

 

 

 

 

 

【アーカイブ 最新更新まで】

「涼宮ハルヒと、ナンシイ・ブラケット」書籍化企画

 

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※アーカイブ公開

(講座内容)

人気アニメ「涼宮ハルヒ」シリーズの原作と、児童文学の名作『ツバメ号とアマゾン号』シリーズのランサム・サガ。この二つを結ぶのは、涼宮ハルヒと、ナンシィ・ブラケットの類似です。昨年、西宮市立鳴尾図書館講座《『涼宮ハルヒ』とアーサー・ランサム》で発表し、その後、西宮市で開催された人文死生学研究会番外編「涼宮ハルヒ」においても、概略を発表しました。

誰も考えついてなかった、涼宮ハルヒと英国名作児童文学との共通点、それを論じます。いずれ書籍化する予定ですが、原稿を進める傍ら、要点をこのユーチューブ講座でお話していきます!

ちなみに、これも人気のアニメ『ゆるキャン△』の影響で、キャンプについて知りたい人が最近、ランサム・サガを読んでいるとのことです。『ゆるキャン△』経由でランサム・サガを知った人も、ぜひ聞いてほしいです!

 

 

 

 

 

 

(1)

《2020年、クルーズ船DP号の新型コロナ検疫でも使われた、検疫船旗が登場するランサム『長い冬休み』を語る》

 

https://youtu.be/gIbRyDusveY

 

 

 

(2)

《2020年、新型コロナの一斉休校で自宅にこもった子どもたちへ。アーサー・ランサム『ツバメ号とアマゾン号』シリーズの魅力を語る》

 

https://youtu.be/4ulxYSVanEw

 

 

(3)

《アーサー・ランサム『ツバメ号とアマゾン号』シリーズの魅力を語る その2》

 

https://youtu.be/MMJWys5hkGU

 

 

 

(4)

《ジブリ映画『思い出のマーニー』原作舞台は、アーサー・ランサム『ツバメ号とアマゾン号』シリーズの作品舞台と同じ!》

 

https://youtu.be/fbNusdxebX0

 

 

(5)

(特別編)《児童文学の名作、リンドグレーン『名探偵カッレくん』シリーズの最新刊『名探偵カッレ 地主館の罠』を読もう〜今の子どもには名探偵といえばコナン?20世紀に子どもだった私たちには名探偵といえばカッレくん!》

 

https://youtu.be/57syi6sZYkQ

 

《今時の子どもたちには、名探偵といえばコナン?

昭和生まれの我々、名探偵といえばカッレくん!

新型コロナ危機で自宅待機中の子どもたちや学生たちにもおすすめ、この連休でぜひ読んでほしい児童文学の名作を紹介します。

リンドグレーンの代表作といえば『長くつ下のピッピ』ですが、今、一推しはカッレくんシリーズです。

大ヒットしたスウェーデン・ミステリー「ドラゴン・タトゥーの女」シリーズの主役であるミカエルのあだ名が「カッレくん」なのを覚えている人も多いでしょう。

少年探偵ものの元祖にして代表格は、『名探偵カッレくん』シリーズです。その最新刊・『名探偵カッレ 地主館の罠』がちょうど刊行されたばかり。

旧訳では『カッレくんの冒険』というタイトルでした。本作は、筆者が児童文学ベスト5の一つに必ず選ぶ、超名作!

番組で、その魅力をたっぷり語ります。》

 

 

 

 

(6)

《「涼宮ハルヒとナンシイブラケット」書籍化企画〜新型コロナでも子どもたちは「遊び」をあきらめてはいけない。アーサーランサムサーガのヒロイン・ナンシイも、あの涼宮ハルヒも、1度きりの夏をあきらめなかった》

 

https://youtu.be/1QupBWavFm4

 

今回のお話、ランサム『ツバメの谷』において、大おばさんの来訪で海賊ごっこを邪魔されてしまったナンシィですが、決してあきらめず、ただ一度きりのこの夏を満喫するためにあの手この手で計画を実行して行きます。

同じく、『涼宮ハルヒの憂鬱』シリーズの涼宮ハルヒも、「高校1年の夏はただ1度きり!」と、やりたいことを目一杯やろうと行動しています。(その結果、やり残したことがあるせいで、ハルヒの神のごとき力によって世界がループし、1万回以上も同じ夏休みが切り返される「エンドレス・エイト」のエピソードが描かれるのですが)

80年も違う時代の、英国と日本という遠く離れた場所の、2人の女の子、ナンシィとハルヒ、この2人の共通する部分は、今の子どもたち、パンデミックで日常生活を奪われてしまった子どもたちにも共通する、子どもとしての本能のようなものです。

 

 

(7)

《アーサーランサム『長い冬休み』その1〜おたふく風邪のため学校に戻れなくなった子どもたちと、コロナ一斉休校の子どもたち》

 

https://youtu.be/PgK-q4xZm5M

 

「涼宮ハルヒと、ナンシイ・ブラケット」のアイディアは、涼宮ハルヒとナンシイの類似点が多いことから思いついたものです。中でも、『涼宮ハルヒの消失』と『長い冬休み』は、どちらもヒロインが物語中から突然いなくなり、残された他の人物たちが、ヒロインに代わって活躍する、という基本的な共通点があります。これが80年近く時間の隔たった、国も遠く隔たるところで生み出された2つの物語の共通点だから、興味深いのです。

『長い冬休み』で、計画途中でおたふく風邪で倒れたナンシイは、仲間たちに冒険をやり遂げる貴重な数週間の猶予を与えたことになります。ナンシイ抜きで冒険を成し遂げた仲間達に、彼女は最後は見事に回復して合流します。全体としては物語の全てがナンシイの思惑通りに進んで行くという、一種の願望達成力まで発揮しているのです。

これは、『涼宮ハルヒの消失』におけるハルヒのいない世界と、ハルヒのいる世界との時空改変の物語とはかなり異なる展開ですが、ヒロインがいなくなって、その代わりに本来は脇役だったものたちがその真価を発揮する、という構造は、よく似ています。

ランサムの物語の中では、おたふく風邪で学校に戻れなくなった子どもたちが思いがけない休暇を楽しむのですが、今、世界でコロナ感染のために学校に戻れない子どもたちが置かれた状況は、もっと過酷なものです。それでも、20世紀初めの子どもたちが、降って湧いた休みを遊びつくす姿は、今の子どもたちにも何かの力を与えてくれると信じています。

 

 

(8)

《アーサーランサム『長い冬休み』その2〜おたふく風邪で隔離されたナンシイは「リモート」で子どもたちの北極探検隊を指揮する》

 

https://youtu.be/JxlsDscym9E

 

この『長い冬休み』で、おたふく風邪で隔離されたナンシイは、リモートで子どもたちの北極探検隊を指揮するという画期的な活躍をみせます。

北極探検ごっこの計画途中で、おたふく風邪で倒れたナンシイは、仲間たちに冒険をやり遂げる貴重な数週間の猶予を与えるのですが、新たな仲間であるディック・カラムにだけ「北極へ出発」の合図を相談した直後に、病気騒動でそのことをすっかり失念してしまいます。この伏線が、物語を劇的なクライマックスへ導くのです。

最後、ナンシイ抜きで冒険を成し遂げた仲間達に回復して合流し、ナンシイは自分の計画した探検ごっこを、自ら危機に陥れたのちに成功させるという、ドラマティックなシナリオを完成させたのです。全体としての物語の全てが、ナンシイのシナリオ通りに進んで行くという、一種の願望達成力だといえます。

古今東西の児童文学で、こんな離れ業を発揮するヒロインはナンシイしかいません。

このことこそ、100年近く後に誕生する『涼宮ハルヒの憂鬱』シリーズの涼宮ハルヒとの、奇妙な共通点なのです。

ランサムの物語の中では、おたふく風邪で学校に戻れなくなった子どもたちが思いがけない休暇を楽しむのですが、今、世界でコロナ感染のために学校に戻れない子どもたちが置かれた状況は、もっと過酷なものです。それでも、20世紀初めの子どもであるナンシイ・ブラケットの、「絶対に遊びをあきらめない」強烈な意志力は、現代の子どもに、生きる勇気を与えてくれるだろうと信じています。

 

 

(9)

《アーサーランサム『ツバメ号の伝書バト』その1〜ナンシイは金鉱掘りごっこを現実世界での成功に導いた》

 

https://youtu.be/aPUst7pYQ4Y

 

ナンシイの願望達成力は、ごっこ遊びを何より大切にする子どもの心から生まれた。ごっこ遊びは、現実世界へのエクセサイズ。ナンシイの生み出した遊びの数々、海賊ごっこ、登山家ごっこ、北極探検ごっこ、そして金鉱掘りごっこは全て、現実世界での危機に際して、子どもたちを救う力となっていく。ナンシイを生み出したアーサー・ランサム の『ツバメ号とアマゾン号』シリーズは、遊び体験の大切さを教えてくれる。

 

 

(10)

《アーサーランサム『ツバメ号の伝書バト』その2〜ナンシイ・ブラケット15歳、思春期まっただ中でもごっこ遊びを計画し子どもたちを指揮して、金鉱掘りを成功させる》

 

https://youtu.be/zCFtMcsz7EE

 

『ツバメ号の伝書バト』の時点で、ナンシイは15歳。思春期まっただ中ですが、ごっこ遊びを計画し子どもたちを指揮して金探しを成功に導きます。ナンシイの金探しのモチベーションは、おじさん(フリント船長)の金探し失敗を慰めるという優しさ。子どもと大人の中間の年頃でありながら、ナンシイはあくまで子どもたちのリーダーとして物語世界を自ら創造し、本来いないはずの敵役まで出現させてしまいます。本作でのナンシイは、年齢的に『涼宮ハルヒ』シリーズのハルヒと同い年。自らチームを作って、目的に向かって邁進し、敵役まで物語に登場させて活躍させる創造性が、実によく似ています。

 

 

(11)

《アーサーランサム『ひみつの海』のナンシイは、シリーズ中で初めて故郷以外の土地で冒険を仕切る》

 

https://youtu.be/COd5GaoJgDY

 

ランサム・サガの中で『ひみつの海』は一風変わった物語です。12巻中で唯一、この巻にだけ登場する4人の子どもたち(もちろん架空の物語である「ヤマネコ号」と「女海賊」、それに最終巻の「白くま号」は別ですが)が登場し、物語の重要な部分を担います。そのデイジーという女の子は、ナンシイの同類で、しかもナンシイよりももっとナンシイらしい女の子です。そのデイジーが事実上主導権を握っている「ひみつの海」世界で、ナンシイはシリーズ中初めて故郷の湖水地方を離れて、冒険します。もちろんナンシイらしく、冒険の主導権を握ろうとしますが、今度ばかりはいろんな要素が邪魔して、冒険はナンシイの思惑通りには進みません。それでも、デイジーと同族のよしみを結んで、そのあとはデイジーとツートップで物語を推進するエンジンとなるのです。最後の最後に、いかにもナンシイらしい義侠心を発揮する場面もあって、この異郷でのナンシイは、いつも以上に彼女らしい個性を際立たせます。

ところで、『涼宮ハルヒ』シリーズのハルヒも、数編の例外を除いては、基本的にハルヒの故郷である町で冒険を繰り広げます。その点、ナンシイと同じく、自分のテリトリーで自分の影響力が十分発揮できる条件をしっかりキープしているといえます。ハルヒとナンシイ、この2人は、見かけによらずお嬢様育ちで、自分のテリトリーをとても大切にしている点でも、共通しています。

 

 

(12)

《アーサーランサム『スカラブ号の夏休み』でのナンシイは、大人たちもコントロールして失踪した大おばさん捜索を仕切る》

 

https://youtu.be/oBuggJaW-Ec

 

『スカラブ号の夏休み』は、ナンシイの成長物語だといえます。思いがけない大おばさんの来訪に、ナンシイは自分のお母さんの名誉と、せっかく客として招かれたDきょうだいの夏休みを守るべく、知略の限りを尽くして、大おばさんを騙し通します。しかし、クライマックスの、大おばさん失踪事件では、さすがのナンシイも困り果てますが、それでも、『長い冬休み』や『ツバメ号の伝書ばと』で危機に際して発揮した臨機応変ぶりを、今回はさらにスケールアップして発動し、見事にことを収めてみせます。

一人の少女が、これほど大人数の大人たちをコントロールして、事態を無事に収拾するというのは、児童文学史上稀にみるカリスマ性だといえましょう。

 

 

 

(13)

《アーサーランサム『シロクマ号となぞの鳥』でナンシイは、遠くスコットランドの地主親子まで自分の影響力で動かしてしまう》

https://youtu.be/-bM4253Ci_A

 

 

『シロクマ号となぞの鳥』は、ランサム・サーガ最後の作品で、この時点でナンシイは18歳のティーンエイジャーになっているはずです。しかし、子どもたちの冒険旅行で、その年齢を感じさせないのは、ランサムの作品の長所であり短所でもある描き方です。

本作では、Dきょうだいのディックが、科学者スピリットを発揮して、本来イギリス諸島で営巣しないはずの渡鳥の巣を発見します。ところが、その発見の名誉を自分のものにしようとする卵コレクターの男が、ナンシイのおじさん・フリント船長に謝礼の大金を持って説得にきたため、逆に立腹したフリント船長と仲間の子どもたちは、ディックの発見を守るべく行動開始します。そこでナンシイがリーダーとして考えた作戦とは?

異郷というべきスコットランドのハイランダーたちを相手に、自分たちの冒険を押し通すナンシイの行動力はさすがというべき。さらに、トラブルとなった際に、ナンシイはおじさんを差し置いて、スコットランドの地主相手に、自分たちの作戦を説得するカリスマ性を発揮します。ナンシイの「行動するヒロイン」としての力は、ハイランダーたちも巻き込んで、仲間のディックの科学発見を守り通すのです。

 

 

 

(14)

《「涼宮ハルヒと、ナンシイ・ブラケット」特別編「ナンシイ・ブラケット・アニメ化計画」〜14歳ヒロイン・アマゾン海賊ナンシイの活躍を描くアニメ化企画、アニメ会社さん、プロデューサーさん、ご興味あればお声かけを!》

 

https://youtu.be/l1401uc4qTo

 

 

 

(15)

《河野太郎ワクチン大臣への直言〜愛読書だったというランサムサーガ6作目『ツバメ号の伝書バト』を再読し、子どもたちの冒険からロジスティックスを学んでください》

https://youtu.be/Tjl2UBkjnE8

 

(16)

《「ハルヒとナンシイ」講座番外編アーサーランサム 『ヤマネコ号の冒険』〜キャラたちが語り下ろした「物語中の物語」!20世紀初めの児童文学で二次創作が行われていた!》

https://youtu.be/n2zNu2dn7ao

 

 

(17)

知床観光船沈没事故追悼

《船遊びでトラブルが起きても生き延びるために〜アーサーランサム 『海へ出るつもりじゃなかった』を全ての子どもたちに読ませたい》

https://youtu.be/syZuFfZ1-j4