ベルサイユのばら(浦澄彬の批評アーカイブ10)
「ベルサイユのばら」を観て (2001.4.22)
タカラヅカの「ベルサイユのばら」を観た。
予想通り大変な賑わいで、2階席の一番上まで埋まっていた。 一番上から4列目ぐらいの席で観たのだが、さしずめ、天井桟敷といったところか。
オペラの通は天井桟敷 で観るというが、タカラヅカはやはり1階席がいい。2階席にいると、観客がみんなどうも芝居に集中してい ない。芝居を観ながら、自分たちの勝手な批評に熱中している。
特に、「ベルばら」ファンは熱狂的で、大変 な騒ぎだった。熱狂するのはいいのだが、自分の思いいれにすっかりはまりこんで、いちいちうるさいのだ。
今回の「ベルばら」は、演出がすっきりと現代的で、初めて観る人にもすんなりと受け入れやすくしてある。 その分、昔からのファンには、大いに物足りないらしい。
「あの場面があっさりしすぎていた」とか「この場面 がカットされてた」とか、あちらこちらで声高に批評している。思い入れはわかるが、もう少し静かに観させて 欲しかった。
確かに、今回の「ベルばら」は、評判ほどではなかった。おそらく、大見得をきって演じる演目を、すっきり と演出したところに無理があったのだろう。
作品そのものが、役者の過剰な演技を要求しているのに、あえ て現代的にテンポ良く進めてしまったために、中身がすかすかな印象を受けた。
だからといって、大時代的 な大仰な演技をしては、新しい観客には受け入れられまい。過去の名作をリバイバルする難しさを痛感した 舞台だった。
それにしても、日本人はどうしてフランス革命がこんなに好きなのだろう? 流血の革命を経験しなかった 歴史に引け目を感じているのだろうか?
日本人は、実際は革命的なことが嫌いで保守的なくせに、革命 が好きな振りをしているように思える。フランスが大好きな日本人だが、自らの手で自分たちの王をギロチン にかけたフランス人の本質を、本当に理解しているのだろうか?
タカラヅカの「ベルサイユのばら」を観た。
予想通り大変な賑わいで、2階席の一番上まで埋まっていた。 一番上から4列目ぐらいの席で観たのだが、さしずめ、天井桟敷といったところか。
オペラの通は天井桟敷 で観るというが、タカラヅカはやはり1階席がいい。2階席にいると、観客がみんなどうも芝居に集中してい ない。芝居を観ながら、自分たちの勝手な批評に熱中している。
特に、「ベルばら」ファンは熱狂的で、大変 な騒ぎだった。熱狂するのはいいのだが、自分の思いいれにすっかりはまりこんで、いちいちうるさいのだ。
今回の「ベルばら」は、演出がすっきりと現代的で、初めて観る人にもすんなりと受け入れやすくしてある。 その分、昔からのファンには、大いに物足りないらしい。
「あの場面があっさりしすぎていた」とか「この場面 がカットされてた」とか、あちらこちらで声高に批評している。思い入れはわかるが、もう少し静かに観させて 欲しかった。
確かに、今回の「ベルばら」は、評判ほどではなかった。おそらく、大見得をきって演じる演目を、すっきり と演出したところに無理があったのだろう。
作品そのものが、役者の過剰な演技を要求しているのに、あえ て現代的にテンポ良く進めてしまったために、中身がすかすかな印象を受けた。
だからといって、大時代的 な大仰な演技をしては、新しい観客には受け入れられまい。過去の名作をリバイバルする難しさを痛感した 舞台だった。
それにしても、日本人はどうしてフランス革命がこんなに好きなのだろう? 流血の革命を経験しなかった 歴史に引け目を感じているのだろうか?
日本人は、実際は革命的なことが嫌いで保守的なくせに、革命 が好きな振りをしているように思える。フランスが大好きな日本人だが、自らの手で自分たちの王をギロチン にかけたフランス人の本質を、本当に理解しているのだろうか?