ロンドンのテロ犯?射殺 | 作家・土居豊の批評 その他の文章

ロンドンのテロ犯?射殺

このところ、次々と殺伐たる事件ばかり。ロンドンにいる友の身も案じられる。かと思えば、東京に大きな地震まで。なかなか大変な時期にさしかかってきた感じだ。
それにしても、テロ犯とおぼしき人物の射殺には、賛否両論あろう。しかし、もし本当にその人物が分厚いコートの下に爆弾を持っていて、警官の目前で自爆したとしたら、世論はどれほど警官を責めることだろう。非情な板ばさみ状態にあって、瞬時に判断を下さざるをえない警備の方々の苦労に頭が下がる。
それにしても、もし自分が自爆テロをするなら、たとえ撃たれても自動的に爆発するように工夫すると思う。今回の人物は、自爆しようとはしていなかったのかもしれない。
もはや、事態は引き返せないところまできているようだ。昔観た、「マイケル・コリンズ」という映画を思い出した。イギリスの支配に対するアイルランドのテロ活動を描いていた。こうなれば、どこまでも攻撃はエスカレートしていくだろうか。
しかし、また、こうも思う。IRAの闘争に比べて、現在の国際テロリズムの掲げる理想はあまりにも幻のようだし、一方、テロとの戦いというお題目も、また極めて現実感に乏しい。いったい、世界はどうなってしまったのか。誰と誰が戦争をしているというのか。
7月23日