戦争するなら | 作家・土居豊の批評 その他の文章

戦争するなら

息子と近所の公園で遊んでいた。
もし、相手がテロリストであれ、どこかの国であれ、戦争するとしたら、息子はやはり兵隊にとられるだろうか。もしそうなったら、それがどんな戦争であれ、絶対勝ってほしい。負けること、すなわち息子を失うことだとしたら。
もし自分が兵隊にとられても、同じだろう。負けたくない。負けることとは、愛する家族や土地、故郷を失うことだとわかっていたら。
それが、どこの国の人も同じように、ごく自然に抱く思いではなかろうか。全てを失っても構わないから、平和でさえあってくれればいい、と断言できる人は少ないだろう。負けて訪れる平和が、すなわち息子を失うことなのだとしたら。
もちろん、勝って平和になるにこしたことはない。もっといいのは、戦わずして平和でありつづけることだ。
7月11日