友人のロンドン便りを読んで | 作家・土居豊の批評 その他の文章

友人のロンドン便りを読んで

わが友はどうやらロンドンで無事に生活を始めたらしい。ブログを読むと、まるで明治時代の留学生も
かくやという感じのどたばたぶりだが、異国の地で、たった一人で生活をするというのは、たとえ国際化の時代であっても、大変なのだ。まぁ、考えてみたら、イギリス人がいきなり大阪か東京にやってきて、さて生活しようなんて、もっと大変かも。
それにしても、ロンドンはよい街だった。住むにはどうだか知らないが、遊びにいくには、もってこいのところだ。季節がよければ、一日外をぶらぶら散歩したり、公園でのんびりしていてもあきない。夜はどこかでかならず、世界レベルの舞台芸術を楽しめる。美術館や博物館に行こうものなら、じっくり見てたら、一ヶ月かかってしまいそうな室と量だ。食べ物も世界中のものがある。ちゃんと回転寿司まであるのだ。
ただ、物価は高いから、楽しむにはそれなりのお金が必要。そのへんは、東京と同じことだ。
それにひきかえ、大阪は、このところ、あまり自慢できないことが多い。文化芸術もますます地盤沈下しつつあるし、散歩しようにも、気候は熱帯なみに蒸し暑く、気分よく戸外で過ごせる時期が年々減っていっているような気がする。物価も安いとはいえなくなってきたし、治安も悪い。自慢できるのは食べ物ぐらいか。どうする、大阪人?