大阪市「こども本の森 中之島」の行方と、大阪市の小中学校図書室を使えなくする愚策に呆れた | 作家・土居豊の批評 その他の文章

大阪市「こども本の森 中之島」の行方と、大阪市の小中学校図書室を使えなくする愚策に呆れた

大阪市「こども本の森 中之島」の行方と、大阪市の小中学校図書室を使えなくする愚策に呆れた

 

 

何か、突然、以下の私のツィートがバズっているので、再度この問題を取り上げたい。

 

結局この中之島の新児童館?的な施設は、蔵書の半数を寄贈に頼り、その寄贈基準はどなたが選書するのか不明。

果たしてブックオフもどきの選書にならないか?

どんなラインナップになるのか?

興味津々で見守るつもりだ。

※2017年9月20日のツィート

何という無駄な遠回りを大阪府市はさせられたのだろう。橋下氏が潰した府立児童文学館の貴重な資料は散逸、今回改めて寄贈を求めるのか。だが、また潰されるおそれのある施設に寄贈などしたくない。

(参考記事)

安藤忠雄氏 大阪市に児童向け図書館の寄付提案(産経2017.9.19)

https://www.sankei.com/photo/story/news/170919/sty1709190003-n1.html

 

 

https://www.asahi.com/articles/ASL6V77M3L6VPTIL04M.html

 

《大阪市の案では、乳幼児から中学生向けの児童図書2万5千冊を集める。入場は無料。本の貸し出しはしないが、周辺の中之島公園で読むことはできる》

 

http://www.city.osaka.lg.jp/keizaisenryaku/page/0000451004.html

 

《蔵書約2万5千冊のうち、約1万冊を寄贈により収集することをめざしており、みなさまから広く寄贈本を募集

児童図書(絵本、読み物、図鑑など知識の本)

比較的新しいもの(目安として、出版年が平成12年以降のもの)

書き込みや汚れ、破れなどがないもの》

 

「こども本の森 中之島」の寄贈本の選書基準、《比較的新しいもの 目安として、出版年が平成12年以降のもの》とあるのが曲者。

結局、ここ十数年の児童書・絵本を集めたブックオフ的な選書になるような気がする。

だから、文学的・資料的価値は以前の児童文学館の蔵書とは全く比較にもならない。

しかも、貸出不可とは、なぜ? きちんと司書を雇って、図書館機能を運営できるようにして、貸出できるようにしないと。子連れの親子が中之島周辺でどれだけの時間、子供に読書させていられると思っているのか?

施設内に託児施設を作って、子供を本とともに預けていられるのなら別だが。

万博公園内にあった児童文学館と違い、中之島という土地柄から、子供だけで本を読んでいてねー、というわけにはいかない。

結局、子育て中の親(あるいは誰か世話する大人)が一緒に付き添わないと、危なっかしい。

とすれば、この児童館で子連れで滞在できる時間は限られる。一体、何冊読めるだろうか?

実際のところ、児童館で親子で過ごす様子を自分も子育て中、色々見てきた。親がぐったりとベンチで居眠りして、子供は適当に遊んでいる、そういう姿をいつも見てた。自分自身も、ぐったりと休憩しながら我が子の姿を目で追っていたこともある。児童館の中は比較的安心だろうから、そうしていたのだ。

今回の「子ども 本の森」は、果たして子供だけでいさせて安全な場所になるだろうか?

不特定多数の大人が自由に入り込める空間では、子供だけで放置はできない。

本を読んでいる子供たちに、目を配る職員は何人いるのだろうか?

結局親が見てなきゃいけないなら、図書館で本借りて家で読ませる方が楽だ。

「子ども 本の森」は、どうもそういう面で、子育て中の親子の現実にマッチした施設になるかどうか、疑問だ。そういう点も、今後、興味津々で見守りたい。

ところで、

さらに、大阪市の小中学校の図書室で、こんな馬鹿げた話まであるので、さすがに呆れてしまう。

大阪市立小中学校の図書室がピンチ!? 予算削減の影響で(関西テレビ) 

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190306-19232509-kantelev-l27

 

《大阪市は、全校に専門職員を週1回派遣する対応にとどまっていて…さらに、来月から図書職員の予算をおよそ2割カットし配置日数を半分ほどに減らすことを検討》

 

大阪市は、児童を読書から切り離す政策をやめなきゃダメだ。学校の図書室は子供が本と出会う最大の機会だ。予算減らす所を間違えてる。

大阪市が中之島に児童向けの読書施設を作っても、来られる子供の数はたかが知れてる。小中学校の図書室を充実させる方が、何倍も子供のためになる。

何より、図書室は本好きの子や勉強しようとする子だけでなく、教室や運動場に居づらい子にとっての避難場所にもなりうる。自分自身もそうだった。

結論だが、

維新の会の教育政策は何をやってるのか、全く呆れてしまう。

橋下知事時代、大阪府はせっかくの貴重な児童文学館を潰して資料を散逸させ、吉村市長時代になって、大阪市は今さら安藤忠雄氏の肝いりで子供の図書室?みたいなのを作る。

かと思えば、肝心要の学校の図書室を潰しかねない圧力をかけて、子供たちから本を遠ざける。

もはや、アホとしか言いようがない。