(まとめ)台風21号で被災・停電した豊中市民の一人として体験したこと、その感想 | 作家・土居豊の批評 その他の文章

(まとめ)台風21号で被災・停電した豊中市民の一人として体験したこと、その感想

(まとめ)台風21号で被災・停電した豊中市民の一人として体験したこと、その感想

 

 

 

台風21号のせいで豊中市が大停電して、我が家もずっと停電だったが、9月7日、やっと自宅の停電復旧した。停電4日間は、さすがに限界だった。まだまだ停電地域を関電が把握しきれていない感じ。復旧まだのところの方々、本当にお疲れ様としか言いようがない。

 

※関電の作業員さん、ありがとうございました

 

 

 

※これまでの経過

台風21号で被災・停電した豊中市民の一人として体験したこと、その感想

https://ameblo.jp/takashihara/entry-12402866930.html

 

 

(その2)台風21号で被災・停電した豊中市民の一人として体験したこと、その感想

https://ameblo.jp/takashihara/entry-12403250443.html

 

 

停電解消までの経緯

 

豊中市在住、7日午後に停電復旧、ちょうど停電発生から72時間後でした。生き埋めだったら死んでる…

関電HPと豊中市HPの記載の差が混乱を助長していますが、私の体験から関電の復旧作業の現状を書いておきます。まだ復旧していない地域の方々のご参考になれば。

4〜6日と停電が続き、4日目の7日朝、さすがに限界に。そこへ数ブロック向こうに関電の高所作業車が!早速駆けつけて、作業し終わった関電作業員さんに自宅付近の停電状況を話そうとしました。他にも大勢、早く来てくれと訴える人々。作業員さんは疲労困憊の様子。

「必ず回りますから」「順番に回ってますので」と言い残して、その高所作業車は去って行きました。がっかりして自宅に待機していると、午後、今度は関電のワゴン車が。慌てて玄関を飛び出して呼び止めようとすると、道端に停車して、角の電柱を調べに来た、と。

そのワゴン車の関電社員さんは私の自宅そばの電柱を見て、二人で相談し、早速ハシゴをかけて作業に入りました。ご近所さんたちがわらわら出て来て、こっちのブロックは?あっちのブロックは?と質問ぜめ。順番に通電しますから、と作業を続けます。すぐに私の家も通電!

ご近所さんと関電社員の会話によると、把握できてない地域を調べて回っているとのこと。ということは関電HPに記載のなかった私の自宅近辺はやはり把握されていなかったのだ。豊中市HPには記載があったのでおそらく豊中市経由の情報で写真さんが調べに来たと思われる。

そんなわけでまだ復旧してない地域の方は豊中市HPに記載があれば関電職員が調べに来るのを待つしかないようです。関電HPの記載は豊中市がなくなっていたのでリスト順に作業に来るのは終わり、あとは個別に地域を回っているのだと思われます。一刻も早く復旧を願っています。

 

ところで、

以下のような報道があったが、

「いらだつ住民」とあるように、停電が長引くと、いらだたない方がおかしいのだ。

 

【台風21号】停電、断水…疲労ピーク 阪神地域復旧遅れる いらだつ住民(産経2018年9月8日)

http://news.livedoor.com/article/detail/15275069/

 

 

 

そこで、

実体験から、台風21号による停電復旧待ちで苛立つ理由をまとめておく。

 

1)私も豊中市で同じパターンだったが、まず停電はすぐ復旧するという先入観がある。

 

2)だが今回は1日目、復旧待ちしていても関電からも行政からも音沙汰なし。一夜目を不安な思いで過ごす。

 

3)まだ夜はエアコンなしでは暑い。

 

4)停電状態で情報はネットかラジオのみ。だんだん充電が心配になる。

 

5)ようやく一夜明けて、停電復旧するかと期待する。が、やはり関電も行政も情報提供なし。

 

6)2日目、関電に電話するも繋がらない。市役所に電話したら、市からも関電に問い合わせておく、と。関電HPの情報も更新されず。

 

7)昼間は暑くて自宅にいられない。イライラが募る。

 

8)ようやく関電に電話がつながると、自動音声が聞こえて、SMSサービスを勧められた。ますます苛立つ。

 

9)2日目の夜になって、他の地域の停電復旧が目に見えてくる。隣の通りは明かりが、自宅付近は暗いまま。まるで見捨てられた気分になり落ち込む。

 

10)2夜目も暑い。体力的にも限界を感じる。相変わらず関電も市も停電情報や対応がない。市は断水地域に給水車を出さず、公園で水くめという。ますます絶望感が募る。

 

11)翌朝こそ、との願いもむなしく、3日目、まだ停電復旧しない。だがネットでは他の地域が復旧してる。ますます見捨てられ感。苛立つ。町で関電の作業車を見かけないから、ますます絶望感。

 

12)3夜目は夜は雨で窓開けられない。ついに体力限界。自宅を離れて親類宅に避難。相変わらず自宅付近は真っ暗。空き巣も心配。

 

13)ついに4日目、町で関電の作業者を見つけて直訴。だが、他の人々も頼んでるが作業者は疲労困憊の様子。必ず回ります、と言って次の地域へ行ってしまう。

 

14)この時点で、関電HPには自宅付近は停電状態に載ってない。見落とされたか?市のリストには載ってるので、情報が食い違い、ますます不安に。

 

15)だが、4日目の午後、ついに関電の作業者が回ってきて、自宅付近は停電復旧した。聞くと、一軒一軒調べて回っているのだと。つまり関電HPのリストに載ってない停電地域は、把握されてなかったのだ。市のリストに載ってるのは、連絡を受けた地域だという。つまり住民が市に連絡し、市が関電に連絡したら作業者が調べて回って、作業するようなのだ。

 

16)だから、停電復旧しない地域はやはり住民が自ら関電や市にがんがん連絡し続けないと見落とされている、ということ。だから、停電復旧をネットやリアルで訴え続けるのは必要だったのだ。おとなしく待っていたら、最後まで後回しになっただろう。

 

 

 

さて、

一方で、台風21号の被害よりも北海道地震の方がマスコミで大きく取り上げられ、政府も北海道地震に救援を集中しているように見える。

しかも、

北海道地震の停電、発災3日目でどんどん解消してる。

ところが、台風21号被害による停電は発災5日目でまだ5万戸以上残り、一週間以上かかる、との関電発表。

北海道地震に国は救援を全力でやってる一方で、台風21号の被災地は見捨てられた感じがする。大阪府知事は沖縄知事選挙応援に行ってしまうし、安倍政権は関空さえ再開したらいいというノリ。

おまけに昨夜から大雨、夜中にスマホ緊急警報が鳴った。まだ停電中ならどんなに怖かっただろう。

そこで、

今回痛感したのは安倍政権の冷酷さだ。豊中市選出の自民党国会議員・大塚氏は安倍首相のシンパなのに、地元豊中市の停電被害に全く尽力しない。安倍首相シンパの自民党議員を選んでも(私は選んでないが)いざ災害時、何も助けてくれないのが証明された。

今回の台風21号の停電被害の渦中にいて、痛感したのは、豊中市や関電、大阪府など大組織は庶民を助けてくれない、ということ。ネットでもリアルでも動いてくれたのは、一部の心ある市議や同じ停電被害の方々。そして現場の作業員の方々。いざ災害時には、近所や知人、仲間同士の共助しか頼れない。

まる3日間、停電状態で生活して感じたのは、災害被災者はもっと怒っていい、ということだ。

2度の震災の時、日本人はおとなしく耐えてるのが美徳みたいな言われ方だったが、絶対に違う。被災者はただでさえ気持ちがダウンし、気力が萎える。怒りをエネルギーにしないと。

天災だから仕方ない、他の人も同じだから、というのも間違い。ほとんどの天災は人災だ。被害にも天地の差がある。被災者は理不尽な目にあったことへの怒りを正直に発していいのだ。その怒りが、長い被災生活では気力の支えになる。おとなしく耐えていたら気持ちが落ち込むばかりだ。怒りは生きる力。

実際に台風21号の停電被害の中では、具体的に怒りを表明していかないと救援も来なかった。ネットでもリアルでもうるさいぐらい怒りを発してようやく他の人々が気づいてくれた。いろんなルートで私のことを助けてくれた。黙って耐えていたらおそらくまだ停電状態だったかも。怒りの表明は救援を呼ぶ。

大阪地震の時も7月豪雨でも、台風21号でも、被災者になったらまずは行政、政治家、大企業に怒りをぶつけるのが正しい。なぜなら国などの大組織は、少々の怒りの表明は無視する。被災者がここにいる!とうるさいぐらい叫ばないと、大組織には聞こえない。台風21号の際の豊中市も関電もそうだった。

自分や親族は大阪地震、7月豪雨、台風21号、立て続けに被災したが安倍政権は庶民を助けてくれないのが証明された。災害の渦中にあって安倍首相がおためごかしを言うのを聞くと怒りが倍増する。

案の定、私が被災者として怒りのツィートを連発するのに対し、「関電はよくやってるから文句いうな」とか「いらんこと言って行政の足を引っ張るな」という趣旨がリプライされてくる。そんなことだから、私のように実際に被災した者が声を大にして発言しなきゃいけないのだ。黙っていたら豊中市の台風21号停電は解消したと思われてしまう。

現実に豊中市の停電状態を関電は完全には把握していない。だから今調べて回っているというのだから、その実情を私のように体験した者が少しでもネットやリアルで広く知らせる必要かある。私自身、ツィート情報やネット経由の情報で停電復旧の状態を調べるまで市や関電から全く何も知らされなかった。

被災者はおとなしく待て、ということを言うのは、停電状態で1日待ち、2日待ち、ついに耐えきれなくて声を上げている人々を侮辱している。行政や関電から何もサポートを得られず、先の見通しがないまま、停電状態で耐え続け、大雨警報まで出てる中でも、まだ何も言わず待ち続けろ、というのだろうか?