大阪府の公立中学チャレンジテストへの疑問 | 作家・土居豊の批評 その他の文章

大阪府の公立中学チャレンジテストへの疑問

大阪府の公立中学チャレンジテストへの疑問

 

 

※参考記事
統一テスト、欠席続出 「休んでいいが」教員発言を誤解
(朝日新聞2017年1月13日)
http://digital.asahi.com/articles/ASK1F3SXZK1FPTIL00P.html?rm=366


 

上記の件、ぜひ続報を知りたい。
なぜなら、
チャレンジテストは、生徒個人の評定より学校全体の評定をバランス調整する仕組みだから、成績の悪い生徒がテストを休むと学校としては評定上がるのだ。先生たち、まさかとは思うが、ワザと生徒を休ませてないだろうか?

そもそも、
大阪府の公立中学校のチャレンジテストとは、教育改革で絶対評価に移行する際に、学校間の評定の不公平感を調整するために導入されたものだ。学校ごとに、学年全体の評定の平均を出して、その平均をもとに、学校間の成績の差を調整する。
つまり、自分の学校の評定を上げるためには、日頃成績の悪い生徒が休む方がいい、という仕組みになる。

大阪府の教育委員会には、このチャレンジテストをもっときちんと実施するよう要望したい。
前述の記事の他にも、チャレンジテストで出題範囲だった部分まで授業が進まなかった中学の例も報道されていた。
もちろん、出題範囲まで授業が終わっていないようでは困る。
実は、うちの子の中学でも、テスト前日に範囲までギリギリ終わったらしい。
でも、このテストのために、授業が雑になったのでは本末転倒というほかない。
それに、
チャレンジテストで出題範囲までの学習を終われない学力レベルの学校と、あらかじめ出題範囲を練習させてテスト対策をやれるようなハイレベルの学校との差は、とても調整できるとは思えないのだ。
このように、
中学校の成績評価を絶対評価にした橋下維新時代の大阪府教育改革の失敗は、もはや明らかだと思う。中学校間にある明らかな学力格差を、チャレンジテストのような小手先の方法では調整できない。


ついでながら、
チャレンジテストは中学校の成績格差を際立たせる仕組みだ。昔から、中学校の格差は噂で伝わっていて、その中学校区の地価にまで影響している。チャレンジテストで評定差が明らかになるから、これからはますます、中学校区で地価が変わるだろう。

 

 

※参考ブログ
大阪府の公立高校の入試を元に戻してほしい
http://ameblo.jp/takashihara/entry-12133138304.html