豊中市立文化芸術センターの先行きに期待する | 作家・土居豊の批評 その他の文章

豊中市立文化芸術センターの先行きに期待する

豊中市立文化芸術センターの先行きに期待する

 

 

 

一豊中市民として、昨年の秋、開館記念式典を見学しました。
この規模の複合ホールを活用するためには、組織力、企画力、資金力、が不可欠だと思います。単なる貸しホールになってしまわないよう、豊中市の奮起を切に願っています。
それというのも、
豊中市の新しいホール、さっそく某有名歌手の公演のチラシが新聞折込に入ってました。公演直前なのに、売れてないのでしょうか? この調子では、市民としてホールの先行きに不安を感じます。
思うに、
豊中市の新ホールの最大のネックは、大阪梅田に近すぎることです。
あえて豊中で公演をうつ必然性、があるかどうか? そこが難しい。
つまり、豊中市で公演をやるかどうか? どうせなら大阪市内の大きな会場でやる方が、おそらく集客できるでしょう。そのハードルをどうクリアするか?
次に、ホールは立派だけど、周辺に大した飲食がないこともネックです。コンサートの行き帰りには、立ち寄れる飲食のお店がほしいところです。そこは、市の努力というより、周辺の飲食店や商店街、大規模スーパーなどが地元のホールといかに協力して、地域を盛り上げるか? そういった地域振興の企画者が必要なのだと思います。
そして、
豊中市の新ホールの最大の問題点は、大きなウリとなる特徴がまだないことでしょう。本当は、お隣の兵庫県芸文センターのような常設オケと芸術監督がほしいところです。
あるいは、お隣の吹田市メイシアターのように、吹奏楽コンクールのメッカとなるとか。また、お隣の池田市アゼリアホールのようなジャズ専門のイベントとか。
近隣の公共ホールの例をいくつか考えてみましょう。
箕面市メイプルホールは、学生演劇で有名。尼崎市のアルカイックホールは、吹奏楽やオペラ、バレエの代表的な会場。宝塚市のベガホールや川西のみつなかホールは、コーラスや市民オペラが有名、などなど。
こうして挙げていくと、北摂から阪神間にかけて、すぐれた公共ホールが山のようにあります。さらに、南大阪や河内にもすぐれた公共ホールがわんさかあり、それぞれが生き残りをかけているのです。

これらの摂河泉の公共ホール群の多くは、高度経済成長期からバブル期にかけて、雨後の筍のように乱立していきました。それぞれ財政問題を抱えながら、大阪市内の大ホールに対抗するのは難しいながらも、地元密着で特徴をみせています。
そんな中で、新たに誕生した豊中市の新ホールは、どう生き残れるか? これからの市の奮起を求めたいところです。

 


旧・豊中市民会館の建て替え完成「豊中市立文化芸術センター」
http://ameblo.jp/takashihara/entry-12208270812.html