肉親の死を看取って | 作家・土居豊の批評 その他の文章

肉親の死を看取って

肉親の死を看取って

数日前、肉親の死を看取りました。
ここしばらく、葬儀関係でばたばたしています。

葬儀の帰途、満開の桜の下を通りすぎながら、西行法師の有名な辞世の句を思い浮かべました。

ねがはくは花のしたにて春死なんそのきさらぎの望月の頃
(西行『山家集』巻上 春 より)

まさにこの歌のように、花の(下ではないけれど)季節に亡くなった肉親のことを思い、最期まで、ダンディに生きたのだなあ、と感慨深く、故人の面影を浮かべました。
そして、
自分はできれば、西行ではなく、芭蕉の辞世「旅に病で夢は枯野をかけ廻る」にあやかりたいものだ、などと、いらぬことを考えていました。
いずれにせよ、人の寿命は、図り難いものだと思い知った次第です。

ここしばらくは、服喪と後始末のため、仕事の方が滞るかもしれませんが、どうかご関係の皆様には、ご容赦のほど、お願い申し上げます。

合掌