3.11からもうすぐ3年目になる今、改めて福島原発事故直後の恐怖を全ての国民が思い出すべき | 作家・土居豊の批評 その他の文章

3.11からもうすぐ3年目になる今、改めて福島原発事故直後の恐怖を全ての国民が思い出すべき

3.11からもうすぐ3年目になる今、改めて福島原発事故直後の恐怖を全ての国民が思い出すべき

ニコ生放送「福島第一原発事故後のTV会議映像 追加公開 《事故収束へ向けた現場と政府の対応が浮き彫りに》」を視聴した。
この映像、東電側の都合で、やたらと小出しにされて、もはや忘れられているように思う。
しかし、今回の公開分は、過去数回のものよりもいっそう緊迫した事態を追体験できる、非常に重要な映像資料である。
特に、
開始後1時間あたりの部分で、原発から立ち上る湯気の危険性により、所員たちが免震重要棟への退避を余儀なくされそうな事態の恐怖感、そして、退避準備の真っ最中に、政治家の能天気な激励メッセージが大音量で流れている光景をみて、日本の政府と電力会社のどうしようもない不様さがさらされる部分。
「6日間徹夜?」で作業し続ける現場が、心身ともにほとんど人間の活動できる限界に達している中、パニックを起こしそうな状態のやりとりが繰り広げられている。
また、これまでほとんど報道されていないと思うが、事故後、一刻も早く原子炉に注水して核燃料を冷却しなければいけない時期、なんと福島第1原発と、東電本店や他の原発との間の通信が途絶していた、という恐怖の実態が、映像に残っていたのだ。
このときも、通信を回復させるための処理が後手後手にまわっている様子が、刻一刻と映し出されて、見ている方がはらはらしてしまう。
このような、福島原発事故の実態は、マスコミ報道では明らかにされていない。
今回を含め、過去に公開したテレビ会議映像と、まだ未公開の部分を、ぜひとも、NHKであれ民放であれ、マスコミが全面的にテレビで公開放映するべきだと思う。
この実態を映像でみれば、日本で、原発を再稼働することはほとんど絶望的だと痛感するはずだ。
そして、現在、再稼働されている大飯原発の場合、福島原発よりもさらに劣悪な条件下にある(免震棟がない、ベント設備がない、など)ことを思うと、大飯原発を動かし続けることの危険は、本当に薄氷を踏むようなものだと思うのだ。
ともあれ、今回の公開分だけでも、まずは視聴してほしい。



※福島第一原発事故後のTV会議映像 追加公開 《事故収束へ向けた現場と政府の対応が浮き彫りに》
http://live.nicovideo.jp/watch/lv129115442?ref=top&zroute=index

2013/03/07(木) 21:35開場 21:45開演
東京電力が、映像に映りこんだ社員のプライバシーの問題等を理由に、
1年以上に及び公開を拒否していた、
福島第1原発の事故直後に録画していた社内のテレビ会議システムの録画映像──。
2012年8月6日に約1時間30分の映像(lv102784801)、
2012年10月5日に約5時間48分の映像(lv110296525)、
2012年11月30日に約1時間51分の映像(lv117244333)が一般公開されましたが、
記者による追及・依頼で今回新たに追加公開された 約12時間47分 の映像を
視聴者の皆様と一緒に確認すべく、ニコニコ生放送でお届けいたします。
今回公開された映像には、2011年3月13日から4月11日までの中から抜粋された
3号機の使用済み核燃料プールへの放水作業および政府が優先したヘリによる散水、
汚染水の海洋放出における対応、吉田昌郎所長(当時)が急遽東京に戻ることになり
作業員に疲れを訴え涙を見せるなど過酷を極める現場の様子を伝えた場面
などが含まれています。
「事故原因・収束対応の解明につながる可能性の高い一級資料」
である映像を是非ご覧ください。
なお残りの、2011年3月11日から4月11日までの約800時間の映像は
一般公開されず、報道関係者のみの閲覧に限定されている状態です。