「iBookStore 日本語版をオープン!」電子書籍と出版社の問題(書き手の立場から)
「iBookStore 日本語版をオープン!」電子書籍と出版社の問題(書き手の立場から考える)
※参考ブログ
電子書籍、やはりAmazonのKindleの使い勝手はピカいち?
http://ameblo.jp/takashihara/entry-11484429066.html
この記事にもあるように、いよいよappleも電子書籍の日本語版販売に本腰を入れ出しました。
数年前、初めてappleのiPadが発売されたとき、日本でも「電子書籍元年」が来たと喧伝されました。
※当時、私が書いた新聞記事

その後、日本国内の出版社が、appleのiBookStoreやAmazonのKindleストアに対して門戸を閉ざしたため、結局、日本では電子書籍は普及していません。
昨年、楽天koboとKindleストアが日本語版でようやくオープンしたので、やっと、日本でも本格的に電子書籍が普及し出したか、と思いきや、そううまくはいかないようです。
いまだに、日本の大手出版社は、KindleストアのAmazonに対して、電子書籍の出版について、条件闘争を続けているようです。
この件については後述しますが、私は昨年、Kindleストアでの自作小説の電子書籍直販を実際に始めてみました。
その体験からいうと、Amazon、楽天kobo、appleの三つ巴の争いの中で、やはりAmazonのKindleの使い勝手はぴか一だと思います!
これは、書き手にとっても、読み手にとっても、いえることです。
なにより、ワンクリックで買える手軽さと、Kindleアプリのダウンロードでスマホ、タブレット、PCと、どの端末でも手軽に読めることが、Amazonの強みです。なにしろ、電子書籍リーダーそのものは買わなくても、手持ちの機械ですぐに読めるのですから。
Kindleストアで電子書籍を試してみたい方、よろしければぜひ、拙作をどうぞ。
Kindleリーダーだけでなく、無料アプリをダウンロードすれば、スマホでもタブレットでも、PCでも、すぐに読めます!
↓
緊急出版!元・高校教師の作者が実体験を元に教育現場の闇を暴くミステリー小説『資質向上研修室』
http://ameblo.jp/takashihara/entry-11483734212.html
大津いじめ自殺事件、大阪市立桜宮高校体罰自殺事件などで、いまや世間にも知れ渡った、教育委員会の信じ難い内情ですが、この小説を読むと、教育委員会と高校のいじめ、セクハラ、パワハラの実態がどのようなものか、明らかになります!
※小説『資質向上研修室』土居豊 作
(Kindle版電子書籍)

http://www.amazon.co.jp/dp/B00BOTXEQS/ref=sr_1_13?s=digital-text&ie=UTF8&qid=1362441805&sr=1-13
(パブー版電子書籍)
http://p.booklog.jp/book/67499
さて、次に、書き手の立場で、電子書籍直販の現在の問題点を考えてみます。
なにより、「電子書籍は売れない」という厳然たる事実が、書き手にとっての問題です。
実際、名の通った作家さんでも、電子版は、従来の紙の本と比べて、売り上げが圧倒的に少ないのだそうです。
いわんや、無名の作家の作品が電子書籍で売れる部数など、たかが知れています。
その上で、実際に電子書籍を直販してみた経験からお話しますと、
まず、最も手軽な電子書籍作成販売サイトのパブーの場合。
パブーサイトが取る販売手数料が30%ですので、残り70%が本の売上げ金(印税)となっています。3,000円を超えていた場合、翌々月の20日に指定の銀行に振込となりますので、コンスタントに印税が3000円以上になる場合には、パブーサイトでの直販は、非常にハードルが低くて、便利だと思います。
KindleストアのKDPの場合は、パブーよりももう少しハードルが高いと言えます。
詳細は、以下の土居豊ブロマガでお読みくださいね
↓
※
土居豊のブロマガ「電子書籍直販講座」2013年第2号【第2回「電子書籍直販講座」ニコ生放送のご報告】をアップ!
http://ch.nicovideo.jp/doiyutaka/blomaga/ar79345
なにより、課題は、Kindleの場合の税金手続きです。
それに、実際の印税の手取りは、為替相場に左右されます。
それでも、Kindleで直販すると、上記のパブーの場合より、圧倒的に販路が広いので、作品を読者に届けやすいといえます。
さて、最後に、「なぜ電子書籍で直販したいのか?」という根本的な問題をお話しましょう。
これまで、私は主に企画持ち込みで、自著を出版社から刊行していただいてきました。
けれど、昨今の出版不況で、持ち込み企画はなかなか通らないのが現状です。
それでも、物書きとしては、なんとか本を出したいものです。
電子書籍なら、簡単に出せるのですが、出版社の電子書籍対応は、まだまだにぶいままです。
特に、大手出版社を中心にAmazonと条件交渉中のため、「既刊の自作をKindleからも出したい」というと、ひどくいやがられます。
出すなら、出版社自身の電子書籍で出す、ということです。
けれど、その場合、出版社経由で電子書籍を販売すると、印税は紙の本と同じ1割以下のままで、本の価格は半分以下に値下げが普通です。
これでは、電子書籍で売る分、著者にとっては、元の紙の本が売れなくなり、電子書籍が売れても、印税は激減する、という、全くひどい条件になってしまいます。
1)出版社経由で、印税1割で満足するか?
2)電子書籍サイトで著者自ら直販して、印税3割、最高7割を確保するか?
という二者択一なのです。
さらに、私の場合、
現在、自分の著作を全て電子書籍化してKindleストアで販売しようと考え、既刊の著作のそれぞれの版元に、Kindleストアでの販売について相談中です。
2年前、iPadが発売されたとき、ある大手版元に、拙著の電子書籍化をお願いしたことがあったのですが、そのときは、はなはだ煮え切らない返事しかもらえませんでした。
だから、とりあえずAmazonのKindleストアの日本進出までは、ブクログのパブーなどを頼りに、自力で細々と電子書籍化を試みてきました。
今回、Kindleストアの進出をみて、はたして、以前、電子書籍化に否定的だった版元は、色よい返事をくれるでしょうか?
最大手の某社は、問い合わせても、いまのところ、なしのつぶてです。
中堅の某社も、同じく、まだ色よい返事はもらえません。
さらに、老舗小出版社の某社は、「自社で電子書籍化を考えさせてくれ」とのことでした。また、「Amazon側と、現在、各社合同で契約条件の交渉中だから、Amazonから出されるのは困る」との、無理な注文もされました。
いったい、この「各社」の方々は、どうしようというのでしょう?
日本の出版業界だけの利益を守る、ということでしょうか?
作家側には、出版契約を自分により有利に変更することは許されないのでしょうか?
少なくとも、現状で、版元が増刷もせず、印税も払わない「塩漬け」状態の自作を、Amazonの有利な印税条件で、独自に電子書籍化して販売したい、というのは、作家の立場でいうと無理な注文ではないと思うのです。
ちなみに、「自社で電子書籍化」というのは、聞こえはいいですが、これまで数年間、電子書籍にトライしてきた経験からいうと、日本では、Amazonを抜きにしてネットで書籍を売るのは、もはや無駄な努力だと思います。いくら日本独自の電子書籍ショップががんばっても、Amazon経由の圧倒的な便利さには太刀打ちできないでしょう。
そもそも、Amazonで電子書籍を販売する場合、印税条件が最高7割も提示されているのに、なぜ日本の出版社の印税1割以下の悪条件に甘んじなければならないのか、わかりません。いまのところ、日本の出版社の場合、電子書籍であっても著者印税は1割以下で横並びになっているようです。
そんなわけで、拙著の場合、数社は拙著の電子書籍版をAmazonで販売することに難色を示している現状です。
しかし、数社は、私の考えを理解してくれていて、すでに、旧作の長編小説を、新たに改訂し、電子版でAmazonのKindleストアと楽天koboから復刊させました。
※土居豊の既刊の電子書籍化
★浦澄彬名義:小説『パブロのいる店で』 1999年 澪標刊 絶版
内容(「MARC」データベースより)
まだポケベルもケイタイもなく、インターネットが夢物語だったあの頃、僕らは心の底から怖れていた、あの予言を…。ジャズハウス「ピカソ」を軸に織りなされる現実と夢想を往き来するような不思議な感覚の物語。
http://www.amazon.co.jp/dp/4944164203/ref=ntt_at_ep_dpt_2
(Kindle版、楽天kobo版で、土居豊の新刊小説『1989年』として発売開始!)
小説『1989年』(小説『パブロのいる店で』を全面改稿)
Kindleストア版リニューアル発売!

http://www.amazon.co.jp/dp/B00ABV1M28/ref=sr_1_6?s=digital-text&ie=UTF8&qid=1361866645&sr=1-6
楽天koboでも販売中。
http://rakuten.kobobooks.com/ebook/小説-1989年-パブロのいる店で-改訂版-NOVEL/book-rdcqnRxgy0qhVvSQhm0Ycg/page1.html?s=LQUc6opJi0CxwzR5V4B_lQ&r=7
ブクログのパブーサイトでも販売中。
http://p.booklog.jp/book/60737
★音楽小説『トリオ・ソナタ』 2005年 図書新聞刊 定価1764円
若き指揮者と、音楽家たちの青春群像を、ウィーンを舞台に描いた小説。小川国夫に絶賛され、川本三郎に書評で紹介された。
http://www.amazon.co.jp/dp/4886114075/ref=sr_1_4?ie=UTF8&s=books&qid=1277827585&sr=1-4
(Kindle版、楽天kobo版で、土居豊の新刊小説『1989年』として発売開始!)
土居豊 作 音楽小説『トリオソナタ』

http://www.amazon.co.jp/dp/B00AV76A5G/ref=sr_1_13?s=digital-text&ie=UTF8&qid=1357002822&sr=1-13
2005年に上梓したこの小説は、私淑していた故・小川国夫に絶賛された自信作です。
まだ『のだめカンタービレ』がヒットする前に、小説で指揮者の留学生の青春を描いた音楽小説です。
(のだめよりこっちが先です。どなたか映画化しません?w)
この小説は、上記の小川国夫のほか、評論家の川本三郎など、様々な著名人に好意的に評していただき、新聞紙面でも記事にしてくださいました。
けれど、その後、いつの間にか書店から姿を消して、ほぼ絶版状態でした。
そこで、このデビュー作を大幅改訂し、電子書籍版で復刊したのです。
この機会に、お読みいただけましたら幸いです。
楽天koboでも販売中
http://rakuten.kobobooks.com/ebook/トリオソナタ/book-v2J65mihX0yKpjhq9vhEAg/page1.html?s=L-JxEY8OBk2K3g6DiEXv3g&r=5
パブーサイト版 土居豊 作 音楽小説『トリオソナタ』
http://p.booklog.jp/book/62966
※以下、土居豊の既刊です。Amazonのページからは、Kindle化のリクエストができます。すでに品切れのものもあり、ぜひKindle化のリクエストをお願いいたします!
↓
★評論『ハルキとハルヒ 村上春樹と涼宮ハルヒを解読する』
土居豊 著 大学教育出版ASシリーズ 定価2100円
http://www.amazon.co.jp/dp/4864291276/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1334231386&sr=1-1
★評論『坂の上の雲を読み解く!~これで全部わかる 秋山兄弟と正岡子規』講談社刊/定価1260円
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062159651/monocolle-22/ref=nosim
★評論『村上春樹のエロス』KKロングセラーズ刊/定価1365円
http://www.amazon.co.jp/dp/4845421852
★評論『村上春樹を読むヒント』KKロングセラーズ刊/定価1365円
http://www.amazon.co.jp/dp/4845421674
★浦澄彬名義:『村上春樹を歩く』 2000年 彩流社刊 定価1575円
村上春樹の作品舞台をフィールドワークし、考察した評論集。『関西文学』選奨奨励賞を受賞した連載をもとに、書き下ろしを交えた。
http://www.amazon.co.jp/dp/4882026902/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1277827644&sr=1-1
以上
(まとめ)
現在の出版不況下で、新刊の七割が返品されるといます。
そんな中、刊行後一年以上経っても店頭にあり、面出し、平積みにもなっていた私の著作は、勝ち組3割に入っていると言えましょう。
にもかかわらず、正直いうと、既刊からの印税収入はほとんどない現状です。
書店で全く売れていないのではなく、既刊は、それぞれ、ロングテールで売れてはいます。
しかし、その印税は、増刷がない限り、著者に入らない契約になっています。
版元は、今となっては、おそらく、増刷はしてくれなさそうです。
私の既刊は、日本国中の本の中で、売れている本の3割に含まれているはずなのに、著者には収入が入らないわけです。
細々とでも売れた分の収入は、全て出版社の懐に入っていることになります。
つまり、私の本の収入は全て、版元の出版社が潰れないための支えに使われている、ともいえるのです。
本来、著者に入るべき印税収入が、出版社の社員の給料に全て化けているということです。
このからくりに気づいてからは、企画を持ち込んで自著を出版社から出してもらうのがばかばかしくなってきました。
いくら心血を注いで本を書いても、契約上、増刷分からの印税しかくれない版元が増えている現状では、本が売れた分は全て出版社を支える献金になっているばかりで、著者にはほとんど収入になりません。
だから、これからは、同じく細々とロングテールで自著を売るのであれば、売れたら売れた分、手元に入ってくる電子書籍直販の方が、書き手にとってはおいしいのだ、といえるのです。
もちろん、常にベストセラー連発の書き手さんの場合は別です。
細々としか売れないが、コンスタントに作品を出していくような、昔ながらの物書きの生き方は、いまや、出版社頼みでは成り立たなくなっている、ということなのです。
※最後に、今回の記事を書くきっかけになった、竹熊健太郎氏のツィートを、以下に引用いたします。
出版社の現状と、日本の本、漫画、電子書籍の問題を、ざっくりとえぐっています。出版の問題に興味のない方も、今後の日本のあり方を深く示唆した内容ですので、ぜひお読みください。
↓
※引用(竹熊健太郎氏のツィートより)
1)日本でキンドルなどの読書端末が売れなかったり、出版社が電子出版業者に自社本を提供したがらないのは、電子書籍が普及することによって、紙の本が売れなくなることを恐れているから。つまり、電子書籍は紙の本のような利益は生まないと出版界の人間は信じていて、それは、たぶん真実です。@kentaro666
2)極めて深刻で厄介な問題について、私は書いています。これは、話を進めていくと、日本の社会が現在罹っている極めて治癒困難な病気の話をするはめになるでしょう。とにかく明快で誰もが納得する答えはありません。電子出版を本気で推進しようとしたら、@kentaro666
3)それはつまり、今働いている出版社の人間の、4分の3位をリストラすることになるのではないでしょうか。電子出版は少数の人員で十分できます。そんな事をしたら大変な社会問題になります。マスコミ人間は版元の社長や政治家を失脚させることもできる、アンタッチャブルな存在なのです。@kentaro666
4)要は「第四の権力」と言われるマスコミの中心を占める大手出版社が悉く漫画単行本で社員の生活を支えている事実、それが問題の本質なのです。サブカルチャーである漫画が、カルチャーの中心たる出版社社員の生活を支えている皮肉な現象があり、出版社は漫画も紙の本も止められないのです。@kentaro666
5)漫画に対してこの形容は使いたくなかったですが、日本の出版社にとっての漫画単行本は、麻薬みたいなものです。当たると効果は大きいが、副作用も大きい。考えても見てください。1冊の少年漫画が、100万冊も200万冊も売れるという事実からして、異常現象といっていいです。@kentaro666
6)ではなく番号で繋げるべきでした。長くなりました。日本の出版界を覆っている「ベストセラー狙いのギャンブル体質」は、もはや取り返しがつかない地点に来ているのでは、と私は危惧しています。それは日本の取次と関係があります。外国の本の流通で同様の制度があるのか、私は存じませんが、@kentaro666
7)日本の取次は書店からの売上金が回収する以前に、版元に対して売上金を前渡しする制度がありおます。これが出版をギャンブルに変えている元凶だと私は思う。つまり版元が本を1万部印刷して取次に納品したら、取次は、売り上げが確定する以前に、1万部の売上金を、版元に入金するのです。@kentaro666
8)なぜ売れたかどうか確定していない本の売上金を前渡しするのかと言うと、そうしないと版元は次の出版の資金繰りに苦労します。そこで、取次が売り上げを前渡しすることで、スムーズな出版活動を支援することがこの制度の目的です。1万部刷った本が1万部売れれば、この制度は問題がありません。@kentaro666
9)問題になるのは、1万部刷って5千部しか売れなかった場合です。この場合は5千部分の売上金がそのまま版元の取次に対する借金になります。それでは困るので、版元は借金返済期限が来る前に、また新刊を作って、取次から借金を重ねるのです。これが出版界の「取次多重債務」の実際です。@kentaro666
10)一流の大学を出た秀才が揃っている日本の出版社で、そんな小学生でもダメだとわかる幼稚な窮状になぜ陥ってしまったのか。この事実に気がついて、私は言葉を失いました。本当に、借金返済のための借金をするという理由で、出版社は紙の本を出し続けなければならないのです。@kentaro666
11)いいかげん長いのでそろそろ。結局は国民の預貯金総額が1200兆あるという理由で、国民からの借金である国債を乱発する政治状況と変わらない状況が、出版界でも起きているわけです。「身内同士の借金感覚」というやつです。たとえ感覚はマヒしていても、借金は借金です。@kentaro666
12)久しぶりに連ツイした。これやるとフォロワーが増えたり減ったり慌ただしいんですよね。どなたかまとめてください。一般には知られてないこと書いてますので。書籍の卸問屋である取次会社が実は金融機能があって、大手中小大部分の版元が借金漬けになっているなんて知らない人が多いでしょう。@kentaro666
13)負けが込んできたのでサラ金で借金してギャンブルを続ける。ダメ人間の王道ですね。出版界も始めは調子良かったんです。負けても次当たれば返済してお釣りが残ったから。「お釣り」が残らなくなったのが1996年。前年600万部代だった少年ジャンプが300万部代に激減した年です。@kentaro666
14)1997年から今年まで、漫画雑誌の売れ行きは右肩下がりで回復しておりません。単行本の総売り上げは横ばいですが、この17年間で点数はほぼ倍になっているのです。新刊を出しても借金は増える一方。これを病気と言わずして何と云うのか。 pic.twitter.com/p029ogw0oX @kentaro666
15)よくよく考えてみれば、出版も最初はこんなではなかったのです。どこで歯車が狂ったかと言うと、やはり80年代末のバブル経済とその崩壊だったと思います。本当に、そこから一気にこの国の調子がおかしくなったのです。潜伏していた病気が発病したのです。@kentaro666
16)漫画が出版界にとって「麻薬」と物騒な表現を使ったのは、かなり正確な比喩のつもりです。つまり麻薬とは、始めは少量でも快感がありますが、中毒すると段々効かなくなる。それで量が増えて行って最後は心身も生活も破壊されるわけです。漫画は日本では娯楽の中心の地位を築いてます。@kentaro666
17)これは凄い事だと思います。漫画は全ての国で子供の娯楽の中心ですが、日本では首相まで選挙で漫画好きを公言する。それだけ漫画表現の幅と厚みが増している、大学教育に値する文化になっているわけです。ところが日本漫画は、作家編集ファン一丸となり戦後60年以上盛り上げ続けた結果、@kentaro666
18)とてつもない大衆娯楽表現に成長してしまいました。日本漫画は今では映画・演劇・ゲーム、凡てのコンテンツの「母」と呼ばれています。ビジネスで使われるキャラクター絵も、もとは漫画から生まれたキャラであることが多い。日本社会の「娯楽の王」は漫画であり、今後も変わらないでしょう。@kentaro666
※参考ブログ
電子書籍、やはりAmazonのKindleの使い勝手はピカいち?
http://ameblo.jp/takashihara/entry-11484429066.html
この記事にもあるように、いよいよappleも電子書籍の日本語版販売に本腰を入れ出しました。
数年前、初めてappleのiPadが発売されたとき、日本でも「電子書籍元年」が来たと喧伝されました。
※当時、私が書いた新聞記事

その後、日本国内の出版社が、appleのiBookStoreやAmazonのKindleストアに対して門戸を閉ざしたため、結局、日本では電子書籍は普及していません。
昨年、楽天koboとKindleストアが日本語版でようやくオープンしたので、やっと、日本でも本格的に電子書籍が普及し出したか、と思いきや、そううまくはいかないようです。
いまだに、日本の大手出版社は、KindleストアのAmazonに対して、電子書籍の出版について、条件闘争を続けているようです。
この件については後述しますが、私は昨年、Kindleストアでの自作小説の電子書籍直販を実際に始めてみました。
その体験からいうと、Amazon、楽天kobo、appleの三つ巴の争いの中で、やはりAmazonのKindleの使い勝手はぴか一だと思います!
これは、書き手にとっても、読み手にとっても、いえることです。
なにより、ワンクリックで買える手軽さと、Kindleアプリのダウンロードでスマホ、タブレット、PCと、どの端末でも手軽に読めることが、Amazonの強みです。なにしろ、電子書籍リーダーそのものは買わなくても、手持ちの機械ですぐに読めるのですから。
Kindleストアで電子書籍を試してみたい方、よろしければぜひ、拙作をどうぞ。
Kindleリーダーだけでなく、無料アプリをダウンロードすれば、スマホでもタブレットでも、PCでも、すぐに読めます!
↓
緊急出版!元・高校教師の作者が実体験を元に教育現場の闇を暴くミステリー小説『資質向上研修室』
http://ameblo.jp/takashihara/entry-11483734212.html
大津いじめ自殺事件、大阪市立桜宮高校体罰自殺事件などで、いまや世間にも知れ渡った、教育委員会の信じ難い内情ですが、この小説を読むと、教育委員会と高校のいじめ、セクハラ、パワハラの実態がどのようなものか、明らかになります!
※小説『資質向上研修室』土居豊 作
(Kindle版電子書籍)

http://www.amazon.co.jp/dp/B00BOTXEQS/ref=sr_1_13?s=digital-text&ie=UTF8&qid=1362441805&sr=1-13
(パブー版電子書籍)
http://p.booklog.jp/book/67499
さて、次に、書き手の立場で、電子書籍直販の現在の問題点を考えてみます。
なにより、「電子書籍は売れない」という厳然たる事実が、書き手にとっての問題です。
実際、名の通った作家さんでも、電子版は、従来の紙の本と比べて、売り上げが圧倒的に少ないのだそうです。
いわんや、無名の作家の作品が電子書籍で売れる部数など、たかが知れています。
その上で、実際に電子書籍を直販してみた経験からお話しますと、
まず、最も手軽な電子書籍作成販売サイトのパブーの場合。
パブーサイトが取る販売手数料が30%ですので、残り70%が本の売上げ金(印税)となっています。3,000円を超えていた場合、翌々月の20日に指定の銀行に振込となりますので、コンスタントに印税が3000円以上になる場合には、パブーサイトでの直販は、非常にハードルが低くて、便利だと思います。
KindleストアのKDPの場合は、パブーよりももう少しハードルが高いと言えます。
詳細は、以下の土居豊ブロマガでお読みくださいね
↓
※
土居豊のブロマガ「電子書籍直販講座」2013年第2号【第2回「電子書籍直販講座」ニコ生放送のご報告】をアップ!
http://ch.nicovideo.jp/doiyutaka/blomaga/ar79345
なにより、課題は、Kindleの場合の税金手続きです。
それに、実際の印税の手取りは、為替相場に左右されます。
それでも、Kindleで直販すると、上記のパブーの場合より、圧倒的に販路が広いので、作品を読者に届けやすいといえます。
さて、最後に、「なぜ電子書籍で直販したいのか?」という根本的な問題をお話しましょう。
これまで、私は主に企画持ち込みで、自著を出版社から刊行していただいてきました。
けれど、昨今の出版不況で、持ち込み企画はなかなか通らないのが現状です。
それでも、物書きとしては、なんとか本を出したいものです。
電子書籍なら、簡単に出せるのですが、出版社の電子書籍対応は、まだまだにぶいままです。
特に、大手出版社を中心にAmazonと条件交渉中のため、「既刊の自作をKindleからも出したい」というと、ひどくいやがられます。
出すなら、出版社自身の電子書籍で出す、ということです。
けれど、その場合、出版社経由で電子書籍を販売すると、印税は紙の本と同じ1割以下のままで、本の価格は半分以下に値下げが普通です。
これでは、電子書籍で売る分、著者にとっては、元の紙の本が売れなくなり、電子書籍が売れても、印税は激減する、という、全くひどい条件になってしまいます。
1)出版社経由で、印税1割で満足するか?
2)電子書籍サイトで著者自ら直販して、印税3割、最高7割を確保するか?
という二者択一なのです。
さらに、私の場合、
現在、自分の著作を全て電子書籍化してKindleストアで販売しようと考え、既刊の著作のそれぞれの版元に、Kindleストアでの販売について相談中です。
2年前、iPadが発売されたとき、ある大手版元に、拙著の電子書籍化をお願いしたことがあったのですが、そのときは、はなはだ煮え切らない返事しかもらえませんでした。
だから、とりあえずAmazonのKindleストアの日本進出までは、ブクログのパブーなどを頼りに、自力で細々と電子書籍化を試みてきました。
今回、Kindleストアの進出をみて、はたして、以前、電子書籍化に否定的だった版元は、色よい返事をくれるでしょうか?
最大手の某社は、問い合わせても、いまのところ、なしのつぶてです。
中堅の某社も、同じく、まだ色よい返事はもらえません。
さらに、老舗小出版社の某社は、「自社で電子書籍化を考えさせてくれ」とのことでした。また、「Amazon側と、現在、各社合同で契約条件の交渉中だから、Amazonから出されるのは困る」との、無理な注文もされました。
いったい、この「各社」の方々は、どうしようというのでしょう?
日本の出版業界だけの利益を守る、ということでしょうか?
作家側には、出版契約を自分により有利に変更することは許されないのでしょうか?
少なくとも、現状で、版元が増刷もせず、印税も払わない「塩漬け」状態の自作を、Amazonの有利な印税条件で、独自に電子書籍化して販売したい、というのは、作家の立場でいうと無理な注文ではないと思うのです。
ちなみに、「自社で電子書籍化」というのは、聞こえはいいですが、これまで数年間、電子書籍にトライしてきた経験からいうと、日本では、Amazonを抜きにしてネットで書籍を売るのは、もはや無駄な努力だと思います。いくら日本独自の電子書籍ショップががんばっても、Amazon経由の圧倒的な便利さには太刀打ちできないでしょう。
そもそも、Amazonで電子書籍を販売する場合、印税条件が最高7割も提示されているのに、なぜ日本の出版社の印税1割以下の悪条件に甘んじなければならないのか、わかりません。いまのところ、日本の出版社の場合、電子書籍であっても著者印税は1割以下で横並びになっているようです。
そんなわけで、拙著の場合、数社は拙著の電子書籍版をAmazonで販売することに難色を示している現状です。
しかし、数社は、私の考えを理解してくれていて、すでに、旧作の長編小説を、新たに改訂し、電子版でAmazonのKindleストアと楽天koboから復刊させました。
※土居豊の既刊の電子書籍化
★浦澄彬名義:小説『パブロのいる店で』 1999年 澪標刊 絶版
内容(「MARC」データベースより)
まだポケベルもケイタイもなく、インターネットが夢物語だったあの頃、僕らは心の底から怖れていた、あの予言を…。ジャズハウス「ピカソ」を軸に織りなされる現実と夢想を往き来するような不思議な感覚の物語。
http://www.amazon.co.jp/dp/4944164203/ref=ntt_at_ep_dpt_2
(Kindle版、楽天kobo版で、土居豊の新刊小説『1989年』として発売開始!)
小説『1989年』(小説『パブロのいる店で』を全面改稿)
Kindleストア版リニューアル発売!

http://www.amazon.co.jp/dp/B00ABV1M28/ref=sr_1_6?s=digital-text&ie=UTF8&qid=1361866645&sr=1-6
楽天koboでも販売中。
http://rakuten.kobobooks.com/ebook/小説-1989年-パブロのいる店で-改訂版-NOVEL/book-rdcqnRxgy0qhVvSQhm0Ycg/page1.html?s=LQUc6opJi0CxwzR5V4B_lQ&r=7
ブクログのパブーサイトでも販売中。
http://p.booklog.jp/book/60737
★音楽小説『トリオ・ソナタ』 2005年 図書新聞刊 定価1764円
若き指揮者と、音楽家たちの青春群像を、ウィーンを舞台に描いた小説。小川国夫に絶賛され、川本三郎に書評で紹介された。
http://www.amazon.co.jp/dp/4886114075/ref=sr_1_4?ie=UTF8&s=books&qid=1277827585&sr=1-4
(Kindle版、楽天kobo版で、土居豊の新刊小説『1989年』として発売開始!)
土居豊 作 音楽小説『トリオソナタ』

http://www.amazon.co.jp/dp/B00AV76A5G/ref=sr_1_13?s=digital-text&ie=UTF8&qid=1357002822&sr=1-13
2005年に上梓したこの小説は、私淑していた故・小川国夫に絶賛された自信作です。
まだ『のだめカンタービレ』がヒットする前に、小説で指揮者の留学生の青春を描いた音楽小説です。
(のだめよりこっちが先です。どなたか映画化しません?w)
この小説は、上記の小川国夫のほか、評論家の川本三郎など、様々な著名人に好意的に評していただき、新聞紙面でも記事にしてくださいました。
けれど、その後、いつの間にか書店から姿を消して、ほぼ絶版状態でした。
そこで、このデビュー作を大幅改訂し、電子書籍版で復刊したのです。
この機会に、お読みいただけましたら幸いです。
楽天koboでも販売中
http://rakuten.kobobooks.com/ebook/トリオソナタ/book-v2J65mihX0yKpjhq9vhEAg/page1.html?s=L-JxEY8OBk2K3g6DiEXv3g&r=5
パブーサイト版 土居豊 作 音楽小説『トリオソナタ』
http://p.booklog.jp/book/62966
※以下、土居豊の既刊です。Amazonのページからは、Kindle化のリクエストができます。すでに品切れのものもあり、ぜひKindle化のリクエストをお願いいたします!
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★評論『ハルキとハルヒ 村上春樹と涼宮ハルヒを解読する』
土居豊 著 大学教育出版ASシリーズ 定価2100円
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★評論『坂の上の雲を読み解く!~これで全部わかる 秋山兄弟と正岡子規』講談社刊/定価1260円
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★評論『村上春樹のエロス』KKロングセラーズ刊/定価1365円
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★評論『村上春樹を読むヒント』KKロングセラーズ刊/定価1365円
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★浦澄彬名義:『村上春樹を歩く』 2000年 彩流社刊 定価1575円
村上春樹の作品舞台をフィールドワークし、考察した評論集。『関西文学』選奨奨励賞を受賞した連載をもとに、書き下ろしを交えた。
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以上
(まとめ)
現在の出版不況下で、新刊の七割が返品されるといます。
そんな中、刊行後一年以上経っても店頭にあり、面出し、平積みにもなっていた私の著作は、勝ち組3割に入っていると言えましょう。
にもかかわらず、正直いうと、既刊からの印税収入はほとんどない現状です。
書店で全く売れていないのではなく、既刊は、それぞれ、ロングテールで売れてはいます。
しかし、その印税は、増刷がない限り、著者に入らない契約になっています。
版元は、今となっては、おそらく、増刷はしてくれなさそうです。
私の既刊は、日本国中の本の中で、売れている本の3割に含まれているはずなのに、著者には収入が入らないわけです。
細々とでも売れた分の収入は、全て出版社の懐に入っていることになります。
つまり、私の本の収入は全て、版元の出版社が潰れないための支えに使われている、ともいえるのです。
本来、著者に入るべき印税収入が、出版社の社員の給料に全て化けているということです。
このからくりに気づいてからは、企画を持ち込んで自著を出版社から出してもらうのがばかばかしくなってきました。
いくら心血を注いで本を書いても、契約上、増刷分からの印税しかくれない版元が増えている現状では、本が売れた分は全て出版社を支える献金になっているばかりで、著者にはほとんど収入になりません。
だから、これからは、同じく細々とロングテールで自著を売るのであれば、売れたら売れた分、手元に入ってくる電子書籍直販の方が、書き手にとってはおいしいのだ、といえるのです。
もちろん、常にベストセラー連発の書き手さんの場合は別です。
細々としか売れないが、コンスタントに作品を出していくような、昔ながらの物書きの生き方は、いまや、出版社頼みでは成り立たなくなっている、ということなのです。
※最後に、今回の記事を書くきっかけになった、竹熊健太郎氏のツィートを、以下に引用いたします。
出版社の現状と、日本の本、漫画、電子書籍の問題を、ざっくりとえぐっています。出版の問題に興味のない方も、今後の日本のあり方を深く示唆した内容ですので、ぜひお読みください。
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※引用(竹熊健太郎氏のツィートより)
1)日本でキンドルなどの読書端末が売れなかったり、出版社が電子出版業者に自社本を提供したがらないのは、電子書籍が普及することによって、紙の本が売れなくなることを恐れているから。つまり、電子書籍は紙の本のような利益は生まないと出版界の人間は信じていて、それは、たぶん真実です。@kentaro666
2)極めて深刻で厄介な問題について、私は書いています。これは、話を進めていくと、日本の社会が現在罹っている極めて治癒困難な病気の話をするはめになるでしょう。とにかく明快で誰もが納得する答えはありません。電子出版を本気で推進しようとしたら、@kentaro666
3)それはつまり、今働いている出版社の人間の、4分の3位をリストラすることになるのではないでしょうか。電子出版は少数の人員で十分できます。そんな事をしたら大変な社会問題になります。マスコミ人間は版元の社長や政治家を失脚させることもできる、アンタッチャブルな存在なのです。@kentaro666
4)要は「第四の権力」と言われるマスコミの中心を占める大手出版社が悉く漫画単行本で社員の生活を支えている事実、それが問題の本質なのです。サブカルチャーである漫画が、カルチャーの中心たる出版社社員の生活を支えている皮肉な現象があり、出版社は漫画も紙の本も止められないのです。@kentaro666
5)漫画に対してこの形容は使いたくなかったですが、日本の出版社にとっての漫画単行本は、麻薬みたいなものです。当たると効果は大きいが、副作用も大きい。考えても見てください。1冊の少年漫画が、100万冊も200万冊も売れるという事実からして、異常現象といっていいです。@kentaro666
6)ではなく番号で繋げるべきでした。長くなりました。日本の出版界を覆っている「ベストセラー狙いのギャンブル体質」は、もはや取り返しがつかない地点に来ているのでは、と私は危惧しています。それは日本の取次と関係があります。外国の本の流通で同様の制度があるのか、私は存じませんが、@kentaro666
7)日本の取次は書店からの売上金が回収する以前に、版元に対して売上金を前渡しする制度がありおます。これが出版をギャンブルに変えている元凶だと私は思う。つまり版元が本を1万部印刷して取次に納品したら、取次は、売り上げが確定する以前に、1万部の売上金を、版元に入金するのです。@kentaro666
8)なぜ売れたかどうか確定していない本の売上金を前渡しするのかと言うと、そうしないと版元は次の出版の資金繰りに苦労します。そこで、取次が売り上げを前渡しすることで、スムーズな出版活動を支援することがこの制度の目的です。1万部刷った本が1万部売れれば、この制度は問題がありません。@kentaro666
9)問題になるのは、1万部刷って5千部しか売れなかった場合です。この場合は5千部分の売上金がそのまま版元の取次に対する借金になります。それでは困るので、版元は借金返済期限が来る前に、また新刊を作って、取次から借金を重ねるのです。これが出版界の「取次多重債務」の実際です。@kentaro666
10)一流の大学を出た秀才が揃っている日本の出版社で、そんな小学生でもダメだとわかる幼稚な窮状になぜ陥ってしまったのか。この事実に気がついて、私は言葉を失いました。本当に、借金返済のための借金をするという理由で、出版社は紙の本を出し続けなければならないのです。@kentaro666
11)いいかげん長いのでそろそろ。結局は国民の預貯金総額が1200兆あるという理由で、国民からの借金である国債を乱発する政治状況と変わらない状況が、出版界でも起きているわけです。「身内同士の借金感覚」というやつです。たとえ感覚はマヒしていても、借金は借金です。@kentaro666
12)久しぶりに連ツイした。これやるとフォロワーが増えたり減ったり慌ただしいんですよね。どなたかまとめてください。一般には知られてないこと書いてますので。書籍の卸問屋である取次会社が実は金融機能があって、大手中小大部分の版元が借金漬けになっているなんて知らない人が多いでしょう。@kentaro666
13)負けが込んできたのでサラ金で借金してギャンブルを続ける。ダメ人間の王道ですね。出版界も始めは調子良かったんです。負けても次当たれば返済してお釣りが残ったから。「お釣り」が残らなくなったのが1996年。前年600万部代だった少年ジャンプが300万部代に激減した年です。@kentaro666
14)1997年から今年まで、漫画雑誌の売れ行きは右肩下がりで回復しておりません。単行本の総売り上げは横ばいですが、この17年間で点数はほぼ倍になっているのです。新刊を出しても借金は増える一方。これを病気と言わずして何と云うのか。 pic.twitter.com/p029ogw0oX @kentaro666
15)よくよく考えてみれば、出版も最初はこんなではなかったのです。どこで歯車が狂ったかと言うと、やはり80年代末のバブル経済とその崩壊だったと思います。本当に、そこから一気にこの国の調子がおかしくなったのです。潜伏していた病気が発病したのです。@kentaro666
16)漫画が出版界にとって「麻薬」と物騒な表現を使ったのは、かなり正確な比喩のつもりです。つまり麻薬とは、始めは少量でも快感がありますが、中毒すると段々効かなくなる。それで量が増えて行って最後は心身も生活も破壊されるわけです。漫画は日本では娯楽の中心の地位を築いてます。@kentaro666
17)これは凄い事だと思います。漫画は全ての国で子供の娯楽の中心ですが、日本では首相まで選挙で漫画好きを公言する。それだけ漫画表現の幅と厚みが増している、大学教育に値する文化になっているわけです。ところが日本漫画は、作家編集ファン一丸となり戦後60年以上盛り上げ続けた結果、@kentaro666
18)とてつもない大衆娯楽表現に成長してしまいました。日本漫画は今では映画・演劇・ゲーム、凡てのコンテンツの「母」と呼ばれています。ビジネスで使われるキャラクター絵も、もとは漫画から生まれたキャラであることが多い。日本社会の「娯楽の王」は漫画であり、今後も変わらないでしょう。@kentaro666