体罰はこれで解決ですか？
体罰はこれで解決ですか？
大阪市は、桜宮高校の体罰自殺事件を、柳本・前女子バレーボール日本代表監督を顧問に招いて、解決するとのことです。
果して、これで体罰問題は解決するのでしょうか？
有名バレー監督や、有名NBA元スター選手をゲストに招いて、ちょっと指導をしてもらえば、それで体罰問題が解決するのなら、これほど簡単なことはありません。
ぜひ、全国の高校で、そういう外部のゲストを招いて、指導してもらってほしいところです。
なぜ、全国のどの自治体も、そういう派手な手法をとらないのか？
その理由は明らかです。
そういう一時的な手当をしても、教育現場の体罰問題やいじめ問題は、根本的な解決が難しい、とわかっているからです。
つまり、大阪市立桜宮高校の、体罰自殺事件は、今回の有名人の招聘で、解決するどころか、根本的な問題は全く手つかずのまま、問題教師の首切りで、とかげの尻尾きりに終わることになりかねません。
なぜなら、実はこの桜宮の事件は、体罰が原因で自殺に至ったのかどうか、そもそもの出発点が間違っているのかもしれないからです。
週刊文春の記事にもありましたが、この事件は、当初から、自殺の原因は体罰である、と決めつけるような報道が先行していました。
そこで、橋下市長が勇んで現場に乗り込み、自殺した生徒の遺族の話に大いに反省？したという流れで、一気に、体罰が横行する高校の入試を中止する、という方向へ暴走したのです。
入試の中止と、体育科の廃止、体罰問題を考える授業、そして有名スポーツ監督や元スター選手の招聘、と立て続けに派手なパフォーマンス的手当が行われ、その華々しい話題作りに隠れて、本当はどういう事件だったのか？体罰の問題はどこにあったのか？という、そもそもの話は、まるですでに終わったかのように世間から抹消されてしまったのです。
けれど、在校生やOBOG、学校関係者の、「体罰教師」への寛大な処分を求める嘆願署名活動にみられるように、この事件の原因が本当に、報道された通りのストーリーだったのかどうか、わからない部分が多すぎます。
もしかしたら、この教師は、自殺事件の責任をとらされ、まさにとかげの尻尾切りをされただけなのかもしれません。
また、桜宮高校に大物ゲストを立て続けに招聘することで、他の公立高校から、不公平だという声が上がるのも、無理からぬことだと思います。
もし、桜宮のように大物ゲストを呼べば、体罰問題が解決されるのであれば、市長や知事は、まず教育予算を組み替えて、体罰が発覚した学校に次々と大物ゲストを呼ぶのが妥当ではないでしょうか？
実際には、いくら大物ゲストを招いても、教育現場というのは、一人のスターの力で全てがよくなるような、単純なところではありません。
それをよく知っているからこそ、どの自治体の教育行政も、大金？をはたいて大物ゲストを招いて問題を解決しよう、というような愚策はとらないのです。
もちろん、大阪市が今回のゲストたちを招いた理由は、そのゲストの力で体罰がなくなる、というようなことを期待しているのではないでしょう。
その目的は、自殺事件に真剣に取り組んでいるというポーズをみせるところにあるのだと思います。
事件の責任は、問題教師一人に押し付けて、あとは派手なパフォーマンスで教育現場がよくなったかのようにみせかけ、政治的成果をあげる、というのがその目的だと思うのです。
ともあれ、今後も、この体罰問題がどうなっていくのか、大阪の住民として注視していこうと思います。
※参考記事
「桜宮高:柳本氏ら新体制の発令式」（毎日新聞02月18日）
http://mainichi.jp/select/news/20130218k0000e040198000c.html
大阪市教委は１８日、体罰が発覚した市立桜宮高校の改革を担当する柳本晶一・市教委顧問（前女子バレーボール日本代表監督）や大継章嘉（おおつぐ・あきよし）新校長ら新体制の発令式を市役所で開いた。
同校は新たに准校長や教頭を増員し、管理体制を強化。長谷川恵一・市教育委員長は「一切の体罰や暴力を排除し、新しい伝統を築くための抜本的改革が急務だ。モデル校として全国発信していく重要な使命を担っていただく」と激励した。
柳本顧問は式の後、記者団に「自分の経験を生かしたお手伝いができれば。子供たちには、この経験が必ず生きる時が来ると、前向きにとらえられるような言葉を掛けていきたい」と話した。
市教委と現場のパイプ役として、同校で生徒や教職員と触れ合いながら、スポーツ指導のあり方などを提言する。
「桜宮バスケ部顧問に「寛大な処分を」 1100人嘆願書にネットで批判噴出」（j-cast2月15日）
http://www.j-cast.com/2013/02/15165641.html
「超大物を呼ぶ桜宮高再建案に他校生徒「ずるい」」（東スポ2月16日）
http://www.tokyo-sports.co.jp/nonsec/104419/
大阪市は、桜宮高校の体罰自殺事件を、柳本・前女子バレーボール日本代表監督を顧問に招いて、解決するとのことです。
果して、これで体罰問題は解決するのでしょうか？
有名バレー監督や、有名NBA元スター選手をゲストに招いて、ちょっと指導をしてもらえば、それで体罰問題が解決するのなら、これほど簡単なことはありません。
ぜひ、全国の高校で、そういう外部のゲストを招いて、指導してもらってほしいところです。
なぜ、全国のどの自治体も、そういう派手な手法をとらないのか？
その理由は明らかです。
そういう一時的な手当をしても、教育現場の体罰問題やいじめ問題は、根本的な解決が難しい、とわかっているからです。
つまり、大阪市立桜宮高校の、体罰自殺事件は、今回の有名人の招聘で、解決するどころか、根本的な問題は全く手つかずのまま、問題教師の首切りで、とかげの尻尾きりに終わることになりかねません。
なぜなら、実はこの桜宮の事件は、体罰が原因で自殺に至ったのかどうか、そもそもの出発点が間違っているのかもしれないからです。
週刊文春の記事にもありましたが、この事件は、当初から、自殺の原因は体罰である、と決めつけるような報道が先行していました。
そこで、橋下市長が勇んで現場に乗り込み、自殺した生徒の遺族の話に大いに反省？したという流れで、一気に、体罰が横行する高校の入試を中止する、という方向へ暴走したのです。
入試の中止と、体育科の廃止、体罰問題を考える授業、そして有名スポーツ監督や元スター選手の招聘、と立て続けに派手なパフォーマンス的手当が行われ、その華々しい話題作りに隠れて、本当はどういう事件だったのか？体罰の問題はどこにあったのか？という、そもそもの話は、まるですでに終わったかのように世間から抹消されてしまったのです。
けれど、在校生やOBOG、学校関係者の、「体罰教師」への寛大な処分を求める嘆願署名活動にみられるように、この事件の原因が本当に、報道された通りのストーリーだったのかどうか、わからない部分が多すぎます。
もしかしたら、この教師は、自殺事件の責任をとらされ、まさにとかげの尻尾切りをされただけなのかもしれません。
また、桜宮高校に大物ゲストを立て続けに招聘することで、他の公立高校から、不公平だという声が上がるのも、無理からぬことだと思います。
もし、桜宮のように大物ゲストを呼べば、体罰問題が解決されるのであれば、市長や知事は、まず教育予算を組み替えて、体罰が発覚した学校に次々と大物ゲストを呼ぶのが妥当ではないでしょうか？
実際には、いくら大物ゲストを招いても、教育現場というのは、一人のスターの力で全てがよくなるような、単純なところではありません。
それをよく知っているからこそ、どの自治体の教育行政も、大金？をはたいて大物ゲストを招いて問題を解決しよう、というような愚策はとらないのです。
もちろん、大阪市が今回のゲストたちを招いた理由は、そのゲストの力で体罰がなくなる、というようなことを期待しているのではないでしょう。
その目的は、自殺事件に真剣に取り組んでいるというポーズをみせるところにあるのだと思います。
事件の責任は、問題教師一人に押し付けて、あとは派手なパフォーマンスで教育現場がよくなったかのようにみせかけ、政治的成果をあげる、というのがその目的だと思うのです。
ともあれ、今後も、この体罰問題がどうなっていくのか、大阪の住民として注視していこうと思います。
※参考記事
「桜宮高:柳本氏ら新体制の発令式」（毎日新聞02月18日）
http://mainichi.jp/select/news/20130218k0000e040198000c.html
大阪市教委は１８日、体罰が発覚した市立桜宮高校の改革を担当する柳本晶一・市教委顧問（前女子バレーボール日本代表監督）や大継章嘉（おおつぐ・あきよし）新校長ら新体制の発令式を市役所で開いた。
同校は新たに准校長や教頭を増員し、管理体制を強化。長谷川恵一・市教育委員長は「一切の体罰や暴力を排除し、新しい伝統を築くための抜本的改革が急務だ。モデル校として全国発信していく重要な使命を担っていただく」と激励した。
柳本顧問は式の後、記者団に「自分の経験を生かしたお手伝いができれば。子供たちには、この経験が必ず生きる時が来ると、前向きにとらえられるような言葉を掛けていきたい」と話した。
市教委と現場のパイプ役として、同校で生徒や教職員と触れ合いながら、スポーツ指導のあり方などを提言する。
「桜宮バスケ部顧問に「寛大な処分を」 1100人嘆願書にネットで批判噴出」（j-cast2月15日）
http://www.j-cast.com/2013/02/15165641.html
「超大物を呼ぶ桜宮高再建案に他校生徒「ずるい」」（東スポ2月16日）
http://www.tokyo-sports.co.jp/nonsec/104419/