凶悪犯罪を防げなかった公的責任は、事件現場の首長にもあるのではないか? | 作家・土居豊の批評 その他の文章

凶悪犯罪を防げなかった公的責任は、事件現場の首長にもあるのではないか?

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大阪府知事は、公的に発言するときは、口に気をつけてほしい。
確かに心斎橋通り魔事件は惨いが、知事が容疑者を、死ぬなら一人で勝手に死ね、というようにののしっていいものなのか?
凶悪犯罪を防げなかった公的責任は、事件現場の首長にもあるのではないか?
そもそも、大阪府知事も、大阪市長も、大阪維新の会も、大阪のイメージをよくしようと思って、現在の地位についたはずだ。
ひったくりで有名な大阪、凶悪犯罪で有名な大阪、というマイナスイメージを、なんとか回復しようと、政治も行政も、もっと知恵を絞って、対策を打ち出すべきではないのか?
なにしろ、オウム事件の逃亡犯まで、大阪に潜伏していたし、今逃亡中のオウム事件容疑者も、大阪にいるのでは?などと噂される始末だ。
感情的なコメントを発している場合ではない。大阪府知事なら、大阪の繁華街のど真ん中で起こった通り魔事件について、再発防止策をまず考えるべきだろう。
さらに、もし、事件の背景として刑務所出所後の再犯問題があるのなら、そのことにも、有効な対策を打ち出すのが、政治家のやるべき仕事だろう。
庶民の側も、知事が容疑者をあしざまに言うのを喜んでいる場合ではない。普通は、こういう場合、政治の無策を責めるのが、住民の立場でななかろうか? 映画『バットマン』で、凶悪犯罪になすすべもない警察署長や市長が群衆に野次られている場面を思いだしつつ、日本人はやはり「ぬるい」のだろうか?と自問自答した。

※参考記事
死にたいなら自己完結しろ! 松井大阪府知事「本当にムカムカする」(産経2012.6.11)
http://sankei.jp.msn.com/region/news/120611/osk12061112330005-n1.htm