超円高時代 就活をアジアで？

すぐれた若い人材をむざむざ海外流出させる愚

【NHKおはよう日本　けさのクローズアップ（2011年 10月19日）
http://www.nhk.or.jp/ohayou/closeup/20111019.html
超円高時代　就活をアジアで
日本の就職難が続く中、アジアでの就職に目を向ける若者が増えています。円高などで企業のアジア進出が加速、現地の人材獲得競争が激しくなり、経験者だけではなく、新卒への需要も増しているからです。急速に広がる海外での就活。その最新事情をお伝えします。】



今朝のこのニュースでは、「国内で就職できない新卒の若者が、海外、それも東南アジアでの就職にチャレンジしている、明るいニュース」というニュアンスでした。
しかし、これは根本的に間違っています。
これは実は、国内企業が時代遅れの新卒一括採用を崩さないせいで、ただでさえ貴重な若手のすぐれた人材を、みすみす外国に流出させている、人材喪失の暗い話題なのです。
そもそも、シンガポールにいって英語で面接を受けて見事採用され、ばりばり働けるような人材を、いったいぜんたいどうして国内企業は採用しなかったのでしょう？　それも、１、２社ではなく、複数の企業から落とされているのです。
大学を出ていきなり単身、海外で仕事ができる、というだけで、この若者は国内企業のそんじょそこらの人材より頭一つ飛び抜けているのではないでしょうか？
ただでさえ、今の若い世代は人口がどんどん減っていくというのに、貴重な若い働き手をむざむざ海外流出させて、この先、国内企業はどうやって生き残るというのでしょう？
この現状は、高齢世代の既得権益を守るために若年世代が見殺しにされている具体的な事例そのものだと思います。
早く新卒一括採用をやめて、すぐれた人材を広く採用するような形にしていかないと、今の学生たちは、無意味な就活にふりまわされた挙句、海外に活路を見出すしかない、ということになりかねません。
むしろ、本人にとってはその方が先々のためになるかもしれませんが、日本そのものは、若者を犠牲にしてひたすら亡国の一途をたどることになりかねません。