菅首相:与野党包囲網に悟った「潮時」 政権「成果」強調、にじむ未練
「国民の理解が得られない」?そちらこそ「国民を理解していない」のでは?
【菅首相:与野党包囲網に悟った「潮時」 政権「成果」強調、にじむ未練(毎日8月11日)
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110811ddm002010125000c.html
「一定のめど」での退陣表明から2カ月以上も抵抗を続けた菅直人首相が、ようやく退陣を明言した。民主党執行部が自民、公明両党と連携して退陣の環境を整える前代未聞の与野党包囲網に、首相も「潮時」を悟ったようだ。原子力行政の見直しなど政権の「成果」を強調するが、退陣時期をなお明確にしないところに未練もにじませる。
「十分国民の皆さんに理解をいただけていないという意味では残念なところはあるが、やるべきことはやっているという意味で残念とか悔しいという思いは決してない」
首相は10日の衆院決算行政監視委員会で未練を否定する一方、東日本大震災の復旧・復興、原発事故の収束、税と社会保障一体改革を成果として列挙した。
9日には自身のブログで「脱・原発依存」方針について「言葉を繰り返しているだけではない」と強調。経済産業省の幹部更迭と原子力安全・保安院の分離を決めたことにより「中味(人事)と器(組織)の入れ替えで、もう後戻りはさせない」と訴えた。ブログへの書き込みは6月2日の退陣表明以降19回に及び、政権の幕引きを意識した実績アピールの場となっている。
後継を選ぶ民主党代表選の行方にも気をもむ。復興増税に批判的な小沢一郎元代表の推す候補が勝てば「その瞬間に長期金利が上がるんじゃないか」と周辺に漏らしている。
しかし、民主党の岡田克也幹事長ら執行部が首相退陣へ動いたのは、野党との協力関係を構築することで次期政権で主導権を握るためだ。首相がお盆前に退陣時期を表明して代表選に突入する日程を岡田氏は描いていたが、首相はこれにはなお抵抗している。本来、自らの路線を引き継ぐはずの現執行部の代表選戦略に、全面協力できない首相の複雑な心境。潮時とは分かっていても、退陣そのものに納得できない悔しさが、成果を強調する言葉の端々に表れている。】
「十分国民の皆さんに理解をいただけていない」って何?
思わず絶句してしまいます。
震災後5ヶ月になるというのに、結局約束の「お盆までに仮設に全員入居」もほごにしていながら、よくそういうことが言えるなあ、と呆れます。
数日、都内にいて、連日の猛暑日を体験しましたが、確かに節電も限度があります。この暑さで、冷房を我慢していたら、熱中症になるのも当然だと思います。
だから、実際のところ、この猛暑の夏を普通に過ごすのでも大変なのに、避難所にいたり、仮設住宅で冷房を我慢したりしていたら、これはもう、命にかかわるといっても大袈裟ではないでしょう。
その責任は、ひとえに政府にあるのです。
この猛暑も、まさか「想定外」だとは言わないでしょうね?
夏が来る前に、被災者をとにかく安全に生活できる環境に置くべきだったのは、理の当然というもので、この夏に電力不足が予想されたのも、これまた当たり前といえます。震災後の「復旧」が遅々として進まない責任は、政府が負うべきものです。
なぜなら、3.11のような歴史的な大災害と、史上初というべき大規模な原発事故が重なったこの事態を、地方や企業、ましてや個人の力で乗り切れ、というのは、まったく無理な相談です。
国家がその国民を保護するのは、まさにこういうときをおいてない、といいたいのです。
この重大危機に、国民を守れないようなら、国家の存在意義などないといってもいいでしょう。国が責任をとらず、地方や、企業、個人が責任を負うのなら、そもそも中央政府はその権威をすでに失ったといえます。
ここに至っても、なお他国の例のように、暴動が起こらないのは、ひとえに日本人の節度や品格というものです。そこに政府が甘えて、さらなる我慢を強いるなど、もってのほかだと思います。
なにが「国民の理解が得られない」のでしょうか?そちらこそ「国民を理解していない」のではないでしょうか?
いずれにせよ、ここ数日の、経済危機や猛暑、海外の緊迫した情勢に比して、国内政治のあまりな太平楽ぶりに、空いた口がふさがらない心境です。
ともあれ、すでに5ヶ月がすぎ、震災復旧は急を要します。阪神淡路のときも、仮設に入ってからが、被災者の苦しみの始まりだったという例が多くありました。
今回も、仮設に被災者を入れて終り、ということでは、またもや同じ悲劇が繰り返されることになりかねません。。
今年のお盆は、日本中が格別な思いで過ごすことでしょう。
いまだみつかっていない行方不明者の方々が、一刻も早く家族のもとに帰れますように、また、お盆を迎えて、一族が再会できますように、謹んで祈念いたします。
【菅首相:与野党包囲網に悟った「潮時」 政権「成果」強調、にじむ未練(毎日8月11日)
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110811ddm002010125000c.html
「一定のめど」での退陣表明から2カ月以上も抵抗を続けた菅直人首相が、ようやく退陣を明言した。民主党執行部が自民、公明両党と連携して退陣の環境を整える前代未聞の与野党包囲網に、首相も「潮時」を悟ったようだ。原子力行政の見直しなど政権の「成果」を強調するが、退陣時期をなお明確にしないところに未練もにじませる。
「十分国民の皆さんに理解をいただけていないという意味では残念なところはあるが、やるべきことはやっているという意味で残念とか悔しいという思いは決してない」
首相は10日の衆院決算行政監視委員会で未練を否定する一方、東日本大震災の復旧・復興、原発事故の収束、税と社会保障一体改革を成果として列挙した。
9日には自身のブログで「脱・原発依存」方針について「言葉を繰り返しているだけではない」と強調。経済産業省の幹部更迭と原子力安全・保安院の分離を決めたことにより「中味(人事)と器(組織)の入れ替えで、もう後戻りはさせない」と訴えた。ブログへの書き込みは6月2日の退陣表明以降19回に及び、政権の幕引きを意識した実績アピールの場となっている。
後継を選ぶ民主党代表選の行方にも気をもむ。復興増税に批判的な小沢一郎元代表の推す候補が勝てば「その瞬間に長期金利が上がるんじゃないか」と周辺に漏らしている。
しかし、民主党の岡田克也幹事長ら執行部が首相退陣へ動いたのは、野党との協力関係を構築することで次期政権で主導権を握るためだ。首相がお盆前に退陣時期を表明して代表選に突入する日程を岡田氏は描いていたが、首相はこれにはなお抵抗している。本来、自らの路線を引き継ぐはずの現執行部の代表選戦略に、全面協力できない首相の複雑な心境。潮時とは分かっていても、退陣そのものに納得できない悔しさが、成果を強調する言葉の端々に表れている。】
「十分国民の皆さんに理解をいただけていない」って何?
思わず絶句してしまいます。
震災後5ヶ月になるというのに、結局約束の「お盆までに仮設に全員入居」もほごにしていながら、よくそういうことが言えるなあ、と呆れます。
数日、都内にいて、連日の猛暑日を体験しましたが、確かに節電も限度があります。この暑さで、冷房を我慢していたら、熱中症になるのも当然だと思います。
だから、実際のところ、この猛暑の夏を普通に過ごすのでも大変なのに、避難所にいたり、仮設住宅で冷房を我慢したりしていたら、これはもう、命にかかわるといっても大袈裟ではないでしょう。
その責任は、ひとえに政府にあるのです。
この猛暑も、まさか「想定外」だとは言わないでしょうね?
夏が来る前に、被災者をとにかく安全に生活できる環境に置くべきだったのは、理の当然というもので、この夏に電力不足が予想されたのも、これまた当たり前といえます。震災後の「復旧」が遅々として進まない責任は、政府が負うべきものです。
なぜなら、3.11のような歴史的な大災害と、史上初というべき大規模な原発事故が重なったこの事態を、地方や企業、ましてや個人の力で乗り切れ、というのは、まったく無理な相談です。
国家がその国民を保護するのは、まさにこういうときをおいてない、といいたいのです。
この重大危機に、国民を守れないようなら、国家の存在意義などないといってもいいでしょう。国が責任をとらず、地方や、企業、個人が責任を負うのなら、そもそも中央政府はその権威をすでに失ったといえます。
ここに至っても、なお他国の例のように、暴動が起こらないのは、ひとえに日本人の節度や品格というものです。そこに政府が甘えて、さらなる我慢を強いるなど、もってのほかだと思います。
なにが「国民の理解が得られない」のでしょうか?そちらこそ「国民を理解していない」のではないでしょうか?
いずれにせよ、ここ数日の、経済危機や猛暑、海外の緊迫した情勢に比して、国内政治のあまりな太平楽ぶりに、空いた口がふさがらない心境です。
ともあれ、すでに5ヶ月がすぎ、震災復旧は急を要します。阪神淡路のときも、仮設に入ってからが、被災者の苦しみの始まりだったという例が多くありました。
今回も、仮設に被災者を入れて終り、ということでは、またもや同じ悲劇が繰り返されることになりかねません。。
今年のお盆は、日本中が格別な思いで過ごすことでしょう。
いまだみつかっていない行方不明者の方々が、一刻も早く家族のもとに帰れますように、また、お盆を迎えて、一族が再会できますように、謹んで祈念いたします。