東京都、青少年向け携帯電話端末等の推奨基準を発表 | 作家・土居豊の批評 その他の文章

東京都、青少年向け携帯電話端末等の推奨基準を発表

オールドタイプは粛正される運命なのだ!


【東京都、青少年向け携帯電話端末等の推奨基準を発表(2011年6月21日リセマムニュース)
http://resemom.jp/article/2011/06/21/2955.html
東京都青少年・治安対策本部は6月20日、昨年12月に交付された改正「東京都青少年の健全な育成に関する条例」により新設された「携帯電話端末・PHS端末の推奨制度」における基準について発表した。
改正条例の第2章第5条では、携帯電話端末等やその付随機能などについて、青少年の健全な育成を阻害することのないよう必要な配慮を行っているものなどを、知事が推奨する制度がもり込まれた(施行は7月1日より)。これを受けて設置された携帯電話端末等推奨基準検討委員会による検討が今年1月より開催され、同日開催された第6回委員会において、その基準がとりまとめられた。
主な推奨基準として、利用時期をもとに「もっぱら保護者との連絡のために利用する時期(おおむね小学生程度)」と、「インターネット利用について学習している時期(おおむね中学生以上)」の区分に分け、それぞれについて必要な条件を定めるという。】

ちょっと過激なタイトルをつけましたが、これはガンダムからの引用です(笑)
それはともかく、
「インターネット利用について学習している時期」が中学生からでいいのだろうか?という素朴な疑問があります。
小学生でも、家では親がパソコンや携帯、スマホで日常的にネットを使っているのを、見よう見まねで使うようになるし、小学生どころか、幼児でもすでにネットを使うことを知っています。
むしろ、幼児の方が、白紙の状態でネット機器にふれるため、タッチパネルにも抵抗なく、適当に遊び感覚で操作を覚えてしまうのです。
だから、たとえば中学校で情報教育と称してパソコンの操作を教えていても、すでに多くの生徒は、キーボード入力を使わずに、マウス操作やタッチパネルでもっと効率的にネットを使いこなせるでしょう。あるいは、もし携帯を持っていれば、スペックの限界まで親指入力で機能を駆使しているに違いありません。
すでに忘れられていますが、今年の春先、京大入試カンニング事件で捕まった学生は、携帯をどうやら手探り操作で操り、試験会場にいながらにしてネットを駆使して入試問題の解答をゲットしてみせたのです。
大人が後追いで規制しようとしても、ネットを使いこなす能力は若者や子どもの方が圧倒的に上だと思った方がいいでしょう。
であれば、今回のような規制を加えても、結局はその裏をかいくぐる技を見つけてしまうのは目に見えていると思います。
いいかげん、旧人類はネット社会を敵視するのをやめて、むしろ子どもたちがネット社会の悪い側面に陥らないように、確固たる倫理観を身につけさせるよう注力した方がいいのではないでしょうか?
もっとも、首相がペテン師で、開き直って嘘をつきまくるような国では、もはや子どもに倫理を説いてきかせても無駄かもしれないですが。
つけくわえると、この規制で、ガラケーは規制できても、もはや当たり前にスマホやタブレットが普及しつつある時代なのです。
そもそも大人は、子どもが遊んでいるゲーム機で通信ができたり、不特定多数と情報のやりとりができることをどのぐらい知っているのでしょうか?無線環境になくても、今のゲーム機は赤外線で情報のやりとりができるし、子どもは常に新しい抜け道を見つけていくものです。
ハード面での規制を強めるよりも、大人自身が襟を正して、子どもに恥ずかしくない規範となるべき時期に、この国はきているのではないだろうか?と思ってしまいます。