映画『プリンセストヨトミ』に期待!
【城を赤くライトアップ=大阪市〔地域〕 (時事通信社 - 05月19日 14:03)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201105/2011051900414
大阪市のランドマークの一つである大阪城がこのほど、1日限りで赤色にライトアップされた。映画「プリンセス トヨトミ」の公開に先立ち企画されたイベントで、集まった人は夜空に浮かび上がった赤い城に歓声を上げた。
今年は天守閣が市民らの寄付により復興されてから80周年。市は節目の年を盛り上げようとさまざまなイベントを企画しており、平松邦夫市長は「タイミング良く、素晴らしいキャストによってできた映画。楽しみにしていた」と述べた。一方、橋下徹府知事は劇中の「大阪国」という設定を「やりたいですね。大阪は秋、いろんな意味で盛り上がるので。独立しましょう」と、自身が掲げる大阪都構想に重ねて意気込んだ。】
この映画のキャンペーンで、このところ主演の堤真一や綾瀬はるかがバラエティによく出ていて、どんな映画なのか、興味をかきたてている。
大阪の地下鉄には、写真のようなロケマップがポスターになって貼ってある。
大阪を舞台に、良質のエンターテイメントを描いた原作は見事な小説だ。
果して、その映画化は、吉と出るか凶と出るか、観てみないことにはわからない。
しかし、紹介記事にもあるように、大阪府知事も大阪市長も、いかにも力を入れて宣伝している。
大阪の街を国内外にPRする絶好の機会だ、ということだろう。
けれど、地元の人間として、少々歯がゆいのは、大阪のイメージがよくも悪くも典型的に取り上げられていることだ。
ロケ地をみても、わかる。大阪城はもちろん、通天閣、府庁舎、道頓堀、それに空堀商店街。
これらは、全国ニュースで何度も映されて、もはや見飽きるぐらい見た場所だろう。
大阪を描く時、これらの見慣れた場所を取り上げたとたんに、もはやその風景は、手あかにまみれた典型的な大阪のイメージにしかならない。
忘れられないのは、リドリー・スコット監督の映画『ブラック・レイン』で大阪を舞台に描かれた映像だ。
『ブラック・レイン』で最初に大阪が映った映像、それは伊丹空港に降りて行くジャンボ機の窓から見えた、夕陽に染まる淀川(神崎川かも?)の川面と、林立する工場煙突からスモークのように立ち上った蒸気、これらの織りなす鮮烈な色彩だった。
大阪を本当にアピールしたいなら、常套的な視点から描くのではなく、大阪の地元の人にも新鮮に映るぐらい、新しい大阪像を見つけたいものだ。そうでなければ、結局、大阪はたこ焼きと吉本、タイガースだけが売りの一地方都市で終ってしまうだろう。
『プリンセストヨトミ』の映像表現に期待したいところだが、果してスコット作品以上の強烈な大阪像を打ち立てただろうか?
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201105/2011051900414
大阪市のランドマークの一つである大阪城がこのほど、1日限りで赤色にライトアップされた。映画「プリンセス トヨトミ」の公開に先立ち企画されたイベントで、集まった人は夜空に浮かび上がった赤い城に歓声を上げた。
今年は天守閣が市民らの寄付により復興されてから80周年。市は節目の年を盛り上げようとさまざまなイベントを企画しており、平松邦夫市長は「タイミング良く、素晴らしいキャストによってできた映画。楽しみにしていた」と述べた。一方、橋下徹府知事は劇中の「大阪国」という設定を「やりたいですね。大阪は秋、いろんな意味で盛り上がるので。独立しましょう」と、自身が掲げる大阪都構想に重ねて意気込んだ。】
この映画のキャンペーンで、このところ主演の堤真一や綾瀬はるかがバラエティによく出ていて、どんな映画なのか、興味をかきたてている。
大阪の地下鉄には、写真のようなロケマップがポスターになって貼ってある。
大阪を舞台に、良質のエンターテイメントを描いた原作は見事な小説だ。
果して、その映画化は、吉と出るか凶と出るか、観てみないことにはわからない。
しかし、紹介記事にもあるように、大阪府知事も大阪市長も、いかにも力を入れて宣伝している。
大阪の街を国内外にPRする絶好の機会だ、ということだろう。
けれど、地元の人間として、少々歯がゆいのは、大阪のイメージがよくも悪くも典型的に取り上げられていることだ。
ロケ地をみても、わかる。大阪城はもちろん、通天閣、府庁舎、道頓堀、それに空堀商店街。
これらは、全国ニュースで何度も映されて、もはや見飽きるぐらい見た場所だろう。
大阪を描く時、これらの見慣れた場所を取り上げたとたんに、もはやその風景は、手あかにまみれた典型的な大阪のイメージにしかならない。
忘れられないのは、リドリー・スコット監督の映画『ブラック・レイン』で大阪を舞台に描かれた映像だ。
『ブラック・レイン』で最初に大阪が映った映像、それは伊丹空港に降りて行くジャンボ機の窓から見えた、夕陽に染まる淀川(神崎川かも?)の川面と、林立する工場煙突からスモークのように立ち上った蒸気、これらの織りなす鮮烈な色彩だった。
大阪を本当にアピールしたいなら、常套的な視点から描くのではなく、大阪の地元の人にも新鮮に映るぐらい、新しい大阪像を見つけたいものだ。そうでなければ、結局、大阪はたこ焼きと吉本、タイガースだけが売りの一地方都市で終ってしまうだろう。
『プリンセストヨトミ』の映像表現に期待したいところだが、果してスコット作品以上の強烈な大阪像を打ち立てただろうか?
