科学者が無神論を展開しても、宗教的原理主義者を説得することはできない?
科学者が無神論を展開しても、宗教的原理主義者を説得することはできない
【「天国も死後の世界もない」、英物理学者ホーキング氏が断言」
http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPJAPAN-21136220110517
[ロンドン 16日 ロイター] 「車椅子の物理学者」として知られる英国の物理学者スティーブン・ホーキング博士(69)は、天国とは闇を恐れる人のおとぎ話にすぎないとし、死後の世界があるとの考えを否定した。16日付の英紙ガーディアンに掲載されたインタビューで述べた。
ホーキング博士は「(人間の)脳について、部品が壊れた際に機能を止めるコンピューターと見なしている」とし、「壊れたコンピューターにとって天国も死後の世界もない。それらは闇を恐れる人のおとぎ話だ」と述べた。
博士は21歳の時に筋萎縮性側索硬化症(ALS)という進行性の神経疾患と診断され、余命数年とされた。「自分は過去49年間にわたって若くして死ぬという可能性と共生してきた。死を恐れてはいないが、死に急いでもいない。まだまだやりたいことがある」と語った。
また、人々はどのように生きるべきかとの問いに対し「自らの行動の価値を最大化するため努力すべき」と答えた。
1988年の著書「ホーキング、宇宙を語る」で世界中に広く知らるようになった博士は、2010年の著書「The Grand Design(原題)」では宇宙の創造に神の力は必要ないとの主張を展開し、宗教界から批判を浴びている。】
確かに、科学者の中には無神論者が多いように思います。
『利己的な遺伝子』で有名な生物学者リチャード・ドーキンスも、神はいない、ということを熱心に主張する一人です。
『神は妄想である―宗教との決別』リチャード・ドーキンス
http://www.amazon.co.jp/dp/4152088265
ただ、日本人の感覚からみると、欧米の科学者の無神論は、むしろ宗教的原理主義への抗議が目的であるようにも思えます。
特に、9.11以来、原理主義への反論を述べることで、不毛なテロとの戦いをストップしたいという動きがあるように思います。
しかし、残念ながら、科学者が無神論を展開しても、宗教的原理主義者を説得することはできない相談でしょう。
理屈で説得されるぐらいなら、そもそも信仰のために命を賭けるような境地にはならないと思います。
ところで、日本人の一般的な感覚としては、原理主義的な信仰心も、科学的な無神論も、どちらもすんなりとは受け入れにくいでしょう。日本的な八百万の神々への素朴な信仰心は、いまでもちゃんと人々の中に息づいているからです。
だから、日本人にとってのテロとの戦いは、どうしても現実感がなく、ビンラディン殺害のニュースにも、もうひとつピンとこないのだと思います。
ただ、実際には、日本は対テロ戦の一端を担ってしまっています。だから、ビンラディン殺害の結果、今後起こるであろう報復戦のターゲットになるのです。
いっそのこと、「無神論」で理論武装し、武力を充実させて対テロ戦に十分なだけの防備をかためることができたら、かえってすっきりと筋は通るでしょうけど。
現実の日本は、震災後、政治的にも経済的にも、ますます中途半端な立場をとることしかできないような感じで、先行きの不安がどこまでも増していっているように感じます。
【「天国も死後の世界もない」、英物理学者ホーキング氏が断言」
http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPJAPAN-21136220110517
[ロンドン 16日 ロイター] 「車椅子の物理学者」として知られる英国の物理学者スティーブン・ホーキング博士(69)は、天国とは闇を恐れる人のおとぎ話にすぎないとし、死後の世界があるとの考えを否定した。16日付の英紙ガーディアンに掲載されたインタビューで述べた。
ホーキング博士は「(人間の)脳について、部品が壊れた際に機能を止めるコンピューターと見なしている」とし、「壊れたコンピューターにとって天国も死後の世界もない。それらは闇を恐れる人のおとぎ話だ」と述べた。
博士は21歳の時に筋萎縮性側索硬化症(ALS)という進行性の神経疾患と診断され、余命数年とされた。「自分は過去49年間にわたって若くして死ぬという可能性と共生してきた。死を恐れてはいないが、死に急いでもいない。まだまだやりたいことがある」と語った。
また、人々はどのように生きるべきかとの問いに対し「自らの行動の価値を最大化するため努力すべき」と答えた。
1988年の著書「ホーキング、宇宙を語る」で世界中に広く知らるようになった博士は、2010年の著書「The Grand Design(原題)」では宇宙の創造に神の力は必要ないとの主張を展開し、宗教界から批判を浴びている。】
確かに、科学者の中には無神論者が多いように思います。
『利己的な遺伝子』で有名な生物学者リチャード・ドーキンスも、神はいない、ということを熱心に主張する一人です。
『神は妄想である―宗教との決別』リチャード・ドーキンス
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ただ、日本人の感覚からみると、欧米の科学者の無神論は、むしろ宗教的原理主義への抗議が目的であるようにも思えます。
特に、9.11以来、原理主義への反論を述べることで、不毛なテロとの戦いをストップしたいという動きがあるように思います。
しかし、残念ながら、科学者が無神論を展開しても、宗教的原理主義者を説得することはできない相談でしょう。
理屈で説得されるぐらいなら、そもそも信仰のために命を賭けるような境地にはならないと思います。
ところで、日本人の一般的な感覚としては、原理主義的な信仰心も、科学的な無神論も、どちらもすんなりとは受け入れにくいでしょう。日本的な八百万の神々への素朴な信仰心は、いまでもちゃんと人々の中に息づいているからです。
だから、日本人にとってのテロとの戦いは、どうしても現実感がなく、ビンラディン殺害のニュースにも、もうひとつピンとこないのだと思います。
ただ、実際には、日本は対テロ戦の一端を担ってしまっています。だから、ビンラディン殺害の結果、今後起こるであろう報復戦のターゲットになるのです。
いっそのこと、「無神論」で理論武装し、武力を充実させて対テロ戦に十分なだけの防備をかためることができたら、かえってすっきりと筋は通るでしょうけど。
現実の日本は、震災後、政治的にも経済的にも、ますます中途半端な立場をとることしかできないような感じで、先行きの不安がどこまでも増していっているように感じます。